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「チーフス、家族、兄弟だと思っている選手たちの期待を裏切った」とハント

2018年12月03日(月) 05:21

カンザスシティ・チーフスのアレックス・スミスとカリーム・ハント【AP Photo/Colin E. Braley】

現地11月30日(金)にカンザスシティ・チーフスを放出されるに至った一件に関して、すべての責任を負うと語ったカリーム・ハントは2月にクリーブランドのホテルで発生した口論で女性を小突き、蹴る自らの姿をとらえた映像が公開されたことを受けて、チームがリリースに踏み切ったことは正しいと理解を示した。

2日、『ESPN』のリサ・サルターズとのインタビューで、ハントは事件についてチーフスにウソをついていたと認めている。

「正直、自分の行動について自分がどれだけ反省しているかを世間の人たちに知らせたかった。自分にとってはつらい時間だ。映像があって、本当に心から恥じている。(中略)映像は自分が間違っていたことを示している。本当はそういうタイプの人間じゃない。とにかく失望しているし、自分のためもそうだけど家族を思うと恥ずかしい。今回のことからしっかりと学び、もっといい人間になれるようにできることはすべてやる」

また、リリースされたことでチーフスに対して何ら措置をとるつもりはないとも明かしたハント。

「チーフスは正しい。自分がチームにすべてを伝えていなかったんだから、彼らを責められない。自分の行動でこうなった。チームにはとにかく謝りたいし、自分とチーフスの間には何の悪感情もないことを伝えたい。プログラムは大好きだった。あそこにいる人たちも大好きだ。今回のことで自分自身を見つめ直して二度とこういうことがないようにしていきたい」

また、事件以来、相手の女性とは話していないと明かすハントはカウンセリングを受ける意向を示しながらも、映像が公開されるまで対応を取らなかったのかについては説明しなかった。加えて、6月にオハイオのリゾートの駐車場で男性を殴ったとの主張についても問われていない。

一方で、2度目のチャンスを与えられるべきだとも思っていると言うハントは「映像にいるのは俺じゃない。あれは自分が思う自分ではない。事実だし、起きたことだ。それについては心から恥じている。自分を恥ずかしいと思うし、みんなの信頼を取り戻し、自分が本当はいいヤツなんだと示すためにできることがあれば何だってやりたい」と主張している。

「許してほしい。絶対に許してもらえると思っている。今は何もかもがものすごい速さで起きている。自分はただ、みんなに許してもらいたい。厳しいことは分かっている。自分が最悪の選択をしたんだから。でも、これで自分を終わりにするつもりはない」

ハントは『TMZ』が監視カメラ映像を公開した後、チーフスから放出される前に、NFLによってコミッショナー承認ロースター除外リストに登録されている。監視カメラ映像は周囲の人々に抑えられながらも女性と対立していくハントの姿をとらえており、口論を経てハントが女性を押しやり、一方の女性はハントの顔を打っている。ハントが女性の間に入ろうとした別の男性を押したところ、女性はフロアに押されてしまい、女性が床にいる状態のまま接近したハントが女性の足を蹴った。

「正直に言って、あの時を除いて彼女に会ったことはない。一度だけしか会っていない。新しい場所に行って最初の2日間だった。(中略)とにかく失望している。正直に言えば彼女をただ帰したかっただけなんだけど、あんな風に行動したこと、あの立場に自分を置いてしまったことに関して言い訳はない」

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートに情報筋が明かしたところによれば、今回、公開された映像はNFLもチーフスも公になるまで確認していなかったという。ハントもまた、公開されるまで目にしていなかったと話している。

NFLは複数回に渡って映像を入手しようとした。当該ホテルは会社の方針として法の執行に際してのみ映像を提供すると主張。クリーブランド警察署のジェニファー・チャチャ巡査部長は署内にも映像を見た者はいないと思うと述べており、警察は2つの報告書を提出しているが、映像はどちらの調査資料にも含まれていない。

告発はなされていないが、NFLは引き続き調査しており、ラポポートによればNFLが被害者と接触を図ろうとしたものの、応答がなかったとのこと。ハントはインタビューの中で、NFLから連絡はなく、今回の事件について聴取も求められていないと話している。

NFLの規定する個人行動規範違反に問われた場合、ハントは基本として6試合の出場停止処分を受けることになる。2月のホテルでの一件と6月の一件に関するNFLの調査結果次第ではさらに出場停止処分が科せられる可能性もある。

除外リストに登録されていながらも、ハントがどこかのチームに加わる可能性は今のところ不明だ。ウェーバーワイヤ(移籍情報)からハントを求めるチームがいた場合、クラブの許可を得てチーム施設を利用するほか、ミーティングや個別ワークアウト、リハビリテーションなど除外リストの条項に記載されているフットボール以外の活動については認められるかもしれない。

チーフスについて、ハントは自らの行動によってチームメイトの期待を裏切ったと思っているとコメントした。

「みんなにウソをついたから、“大事に思っている。みんなが君を思っている。でも、手放すしかないんだ”と言われた。つらい話し合いだった。チーフスは正しいことをした。自分がバカな判断をしたんだ。この先、あらゆる行動に関しても自分がすべての責任を負うつもりでいる」

「チーフスの期待を裏切ったと思う。家族もそう、自分の兄弟みたいに思っている選手たちもがっかりさせてしまった」

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