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WRクーパー加入に感謝するカウボーイズQBプレスコット

2018年12月11日(火) 12:44


ダラス・カウボーイズのダック・プレスコット【AP Photo/Michael Ainsworth】

ダラス・カウボーイズは現地9日(日)に実施された試合の序盤からフィラデルフィア・イーグルスを攻め続けたものの、スコアボードにはなかなか得点が刻まれなかった。そして、チームが終盤に失速したのを受け、目を覚ましたイーグルスが第4クオーターで同点に追いついたのだ。

そんなタイミングで28ヤードのタッチダウンを決め、カウボーイズを元気付ける機敏な動きを見せたのがワイドレシーバー(WR)のアマリ・クーパーだった。カウボーイズがリードしたすぐ後にイーグルスは再び同点に追いつくも、クーパーがまたもや75ヤードのスコアを決めてリードを守る。しかしながら、粘りを見せたイーグルスが再度追いついたため、試合はオーバータイムにまで持ち込まれた。お察しの通り、ここで試合を決めたのもまたまたクーパーだった。イーグルスのコーナーバック(CB)ラスル・ダグラスが捕球ミスし、はじかれて浮いたボールを奪ったクーパーが決勝タッチダウンを決めてチームを29対23の勝利へと導いている。

カウボーイズのクオーターバック(QB)ダック・プレスコットは『The Dallas Morning News(ザ・ダラス・モーニング・ニュース)』に「彼はすばらしい選手だ。アマリがすごいことは知っていたんだ。彼が距離を保ち、オープンになって、ボールをキャッチしてくれることをね。でも、キャッチ後のランやタックルをかわすプレーを見ていると、やっぱり本当にすばらしい選手だと思うんだ。前にも言ったが、チームが行ったこのトレードにはとても感謝している」とコメントした。

オーナーのジェリー・ジョーンズとチームの判断は正しかった。クーパーはカウボーイズが支払った代償(ドラフト1巡目指名権)のすべてをプレーで返済している。プロボウラーであるWRがトレードでやってきて以降、カウボーイズは戦績を5勝1敗とし、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区のタイトルをぐっと引き寄せている。

キャリアハイとなる455ヤードを投じたものの、この日のプレスコットはターンオーバーに苦しみ、ランニングバック(RB)のエゼキエル・エリオットも後半に沈黙(後半とオーバータイムの合計で41ランヤード)していた中、気を吐いてチームを救ったのがクーパーだった。

プレスコットがチームメイトとなったクーパーに感謝するのも当然だ。カウボーイズのQBはクーパーが加入して以降の6試合で1,714ヤード、タッチダウン9回を記録しており、クーパー加入前(1,417ヤード、タッチダウン8回)からはるかに成績を向上させているのだ。

ここで、クーパー加入前と加入後のプレスコットの成績を比較してみたい。

クーパー加入前:3勝4敗、パス成功率62.1%、1試合平均パスヤード202.4、タッチダウン/インターセプト率8:4、パサーレーティング87.4

クーパー加入後:5勝1敗、パス成功率74.1%、1試合平均パスヤード285.7、タッチダウン/インターセプト率9:3、パサーレーティング105.7

また、クーパーがダラスに到着してからのプレスコットはタイトウインドーに力任せにボールを放る必要がなくなっており、ターゲットセパレーションの数字は次の通りだ。

クーパー加入前:平均ターゲットセパレーション2.9、タイトウインドーへのスローは23.3%

クーパー加入後:平均ターゲットセパレーション3.7、タイトウインドーへのスローは14.2%

シーズン第9週前にトレードされたクーパーはレイダースでの6試合よりもカウボーイズでの6試合で非常に生産的なプレーヤーとなっている。

レイダース時代のクーパー:ターゲット31回、レシーブ22回、280レシーブヤード、レシービングタッチダウン1回

レイダース時代のクーパー:ターゲット53回、レシーブ40回、642レシーブヤード、レシービングタッチダウン6回

24歳のレシーバーは過去3試合で473レシービングヤードと5回のレシービングタッチダウンを記録し、オデル・ベッカムが2014年シーズンの第15週から17週に記録(476ヤード、タッチダウン6回)して以降、3試合で450ヤード以上のレシービングヤードと5回以上のレシービングタッチダウンを初めて記録した選手となった。

9日の試合では今シーズン2度目となる180レシービングヤードと2回以上のレシービングタッチダウンをマークしたクーパー。スーパーボウルが開始して以降では1シーズンにこのような記録を2度達成した選手は7人しかおらず、クーパーはその8人目の選手となっている。この記録は2006年にチャド・ジョンソンが達成したのが最後だった。

クーパーは「これが本当の自分という感じなんだ。チームが勝つためにそういうプレーをメイクする自信はあるよ。カレッジでは同じことをたくさんしてきた。オークランドでは時々ね。でも、自分の最終目標はもっと安定することで、毎週チームのためにこういったプレーをできるようにすることなんだ」と明かしている。

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