スティーラーズ球団社長、WRブラウンのトレードを容認
2019年01月11日(金) 10:58ピッツバーグ・スティーラーズのメンバーとしてのワイドレシーバー(WR)アントニオ・ブラウンのオフシーズンはかりそめの時となるかもしれない。
現地10日(木)、スティーラーズ球団社長のアート・ルーニー二世は地元紙『Pittsburgh Post-Gazette(ピッツバーグ・ポスト・ガゼット)』とのインタビューでブラウンを放出するプランはないと述べた。
ただし、ルーニー二世はシーズン最終戦に出場しなかったブラウンの取引に関し、「現段階でわれわれにできることはそう多くない。つまり、判断を下すための時間があるということ。すべての選択肢を検討してみるつもりだ。彼をリリースすることはなく、その選択肢は出てきていない。しかし、その他すべての選択肢が残されているとは言うことができる」と明かしている。
続けて球団社長は「状況が和らぎ、来季に彼を再び取り戻すかどうかについて、われわれはそれが実際に起こり得ると考えるには程遠いところにいる。現時点ではあらゆる可能性をオープンにしている」とも語っていた。
シーズン第17週後、シンシナティ・ベンガルズとのレギュラーシーズン最終戦を控えた土曜日に行われたチームのウオークスルーを欠席し、試合にインアクティブ登録されたブラウンは、ハーフタイム中に帰宅する行動を取ってメディアを騒がせていた。
ポスト・ガゼットは先週、レギュラーシーズン終盤の状況に落胆していると明かしたブラウンがルーニー二世社長やヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンからの電話にも応答していないと指摘している。
スティーラーズがブラウンをトレードに出す可能性はあるかどうかとポスト・ガゼット紙が直接的に尋ねた際、ルーニー二世社長は次のように述べていた。
「そういった言葉を使うことはない。すべてに可能性がある。判断を下すまではあと2カ月もあり、いろいろなことが可能だ。今の時点で決定を下すことに意味はない。ことの次第は今後分かっていくだろう。いずれ、彼もわれわれと話し合いをしに来るはずだ。彼が今何を考えているかも分かるだろう。まずはそこからだ」
しかしながら、ルーニー二世社長が厳しいと見ているポイントの1つに、来たる夏終盤のトレーニングキャンプ開始までにブラウンの準備が整っているかがあるようだ。
ルーニー二世は「今の状況を踏まえると、それをイメージするのは難しい。ただし、今日、すべての可能性を否定してしまうことに意味はない。まだ雪が積もっている状態だ。現時点ではいかなる判断も下す必要はない」ともコメントしている。
最終的には、新年度が開始する3月13日が近くなればチームもブラウンの件に関する決定を焦ることになるだろう。2017年に5年契約を締結したブラウンは2019年にベースサラリーとして1,260万ドル(約13億6,000万円)を、ロースターボーナスとして250万ドル(約2億7,000万円)を3月17日に受け取る予定となっている。
2019年のブラウンはチームのサラリーキャップに対して2,200万ドル(約23億8,000万円)がヒットする予定であり、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが先週日曜日に指摘したところによれば、チームが仮にブラウンをキープすれば約2,200万ドル、トレードした場合は2,100万ドル/約22億7,000万円分のキャップヒットとなってキャップスペースには100万ドル(約1億800万円)の空きができ、約1,500万ドル(約16億2,500万円)をセーブできる見込みだ。
それでも、スティーラーズ球団社長はサラリーキャップがこの件に関する判断に際して大きな役割を持つことはないとしている。
「考慮の対象にはなるものの、今のわれわれの状況からして、それがわれわれの可能性を制限するとは言わない。何かしなくてはならなくなった際、われわれはそれとどう向き合うかを考えていく」
苦しいシーズンを過ごしたスティーラーズにとって、ブラウンの状況はさらなる悩みの種となっている。2013年以来のプレーオフ不出場となった今季、シーズンを通じてスティーラーズはフランチャイズテンダーにサインしなかったスターランニングバック(RB)リビオン・ベル不在の中で戦ってきた。
ブラウン不在となったベンガルズ戦を含めると、スティーラーズは今季を9勝6敗1分で終えている。
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