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2019年のNFLフランチャイズ指定期間がスタート

2019年02月20日(水) 12:22


NFLロゴ【Aaron M. Sprecher via AP】

タグ付けシーズンが到来した。

現地19日(火)はNFLチームが選手たちにフランチャイズタグかトランジションタグを付けることができるようになる解禁日だ。期限は2週間後の3月5日(火)、東部時間16時までとなっている。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のグレッグ・ローゼンサルはすでに今後2週間以内にそのタグ付けがなされるだろう選手たち――デマーカス・ローレンスやジェイデビオン・クロウニー、ディー・フォードらを含む――の予想をしているが、実際にタグを貼るというのは正確にはどのような意味を持つものだろうか?

各NFLチームは3つのタグオプションを保有しており、長期契約のない選手を1年間チームに留めることが可能となっている。そのオプションが(1)非独占的フランチャイズタグ、(2)独占的フランチャイズタグ、(3)トランジションタグだ。

では、この3つのタグを詳しく見ていこう。

非独占的フランチャイズタグ:これが最も一般的に用いられるタグ。コメンテーターなどが特に詳しい言及なく“フランチャイズタグ”と言う場合は通常、この非独占型のことを指している。これは選手に対し、同じポジションの年俸トップ5の平均以上か、本人の前年の年俸の120%、どちらか金額の多い方で1年契約をオファーするもの。選手は他のチームとも交渉を行うことが可能だ。所属チームには同条件のオファーを出す権利があり、もしくは選手が他チームと契約するのと引き換えにドラフト1巡指名の権利を2つ受け取ることもできる。

独占的フランチャイズタグ:選手と同じポジションの年俸トップ5の平均以上か、選手の前年の年俸の120%、どちらか金額の多い方で1年間の契約をオファーするもの。選手への交渉権は所属チームが全て有する。賃金率(現在の平均年俸と過去5年間の平均データの比較)の上昇により、このタグを貼られるのは一流中の一流選手、つまりはチームが2つのドラフト1巡目指名権を喜んで譲渡してまでも欲しいと思えるレベルの選手である。一般的にはクオーターバック(QB)に対して貼られる傾向が強いタグだが、昨年のピッツバーグ・スティーラーズはこのタグをランニングバック(RB)リビオン・ベルに利用していた。

トランジションタグ:これは上記2つのタグと比較すれば、契約に至るためのオプションをチームに与えるという中間的ポジションのタグ。トランジション指定とは、ポジションの年俸トップ10――トップ5ではなく――の平均以上の金額で1年間の契約をオファーするもの。所属チームには他チームからのオファーシートに対する優先交渉権があるが、これを行使しなかった場合に補償はない。昨年はシカゴ・ベアーズがコーナーバック(CB)カイル・フラーにこのタグを貼り付け、グリーンベイ・パッカーズのオファーシートにマッチさせる形を取っていた。

指定を受けた選手は7月15日(月)の東部夏時間16時まで、チームと複数年契約について交渉することができる。この日付を過ぎると、選手はそれまでのチームと2019年シーズンの1年契約しか結ぶことができず、レギュラーシーズン最後の試合が終わるまで契約を延長することはできない。

いかなる選手もタグが貼られた後は好きなタイミングでテンダーにサインすることができる。ただし、テンダーにサインが記入されるまでの間、チームはフランチャイズタグやトランジションタグを取り消す権利を有する。一度テンダーにサインがなされれば、選手のそのシーズンのサラリーは保証され、選手がテンダーにサインしない場合には契約なしの状態が続くこととなり、昨年のベルのようにオフシーズンのチームによるワークアウトを欠席したとしても罰金が科されることはない。なお、テンダーにサインしていない選手をトレードすることは不可能となっている。

どのチームも上記のタグのうち毎年1つだけを使うことが可能――つまり、フランチャイズとトランジションの両方を指定することはできないということ――だ。選手はチームから3回までタグ指定を受けることが可能で、そのたびに年俸は上がることになる。

フランチャイズもトランジションも、各ポジションに対するタグは2019年のサラリーキャップに基づいた金額となる。昨年12月、NFLは2019年のサラリーキャップが1憶8,700万ドル(約207億円)から1億9,110万ドル(約212億円)になる見込みだと発表していた。外部機関も2018年に1億7,720万ドル(約196億円)だった各チームのサラリーキャップは増加するものと予想している。公式のタグ指定額は最終的なサラリーキャップの金額が決まった時点で決定となる。

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