ジャイアンツ、ベッカムに代わってWRテイトを獲得
2019年03月15日(金) 10:21オデル・ベッカムに別れを告げた翌日、ニューヨーク・ジャイアンツは新たなワイドレシーバー(WR)ゴールデン・テイトをイーストラザフォードに歓迎した。
ジャイアンツはデトロイト・ライオンズとフィラデルフィア・イーグルスで活躍してきたテイトと2,300万ドル(約25億7,000万円)の完全保証付き、4年3,750万ドル(約41億8,000万円)で契約を締結したようだ。これは現地14日(木)に『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが報じた内容だ。
『NFL.com』のフリーエージェント(FA)ランキングでWRのトップにつけていたテイトは、先シーズンの途中でデトロイトを離れてフィラデルフィアへと向かい、両チーム合わせて15試合に出場、113回のターゲットでキャッチ74回、795レシービングヤード、4回のタッチダウンを記録していた。
ベッカムがトレードでクリーブランド・ブラウンズに放出されてからわずか24時間ほどという早さでチームに加入することもあり、テイトのパフォーマンスがベッカムのそれと比較される運命は免れられないだろう。ただし、2人はまったく別種のWRなのだ。
テイトはキャッチ後のラン技術に優れており、スクリメージラインから5ヤード以内で始まるビッグプレーをたくさん生み出してきた。テイトは1シーズンを通じて一度も7回以上のタッチダウンを記録したことがないWRでもある。一方でベッカムのプレーはフィールドを縦に引き延ばす能力やレッドゾーン内での強さを発揮することが多く、ハイライトシーンで映えることが多かった。ベッカムはプロ入りからの3シーズンでタッチダウンを35回も決めている。
ジャイアンツのジェネラルマネジャー(GM)デーブ・ジェトルマンはベッカムを放出する際のメッセージでチームにはプランがあると主張していたが、テイトのようなWRの獲得がまずはそのリカバリーの第一歩だったのではないかと考えられる。イーライ・マニングにはもうかつてのようにロングパスを投げるほどの肩力やダウンフィールドへのパス精度がなく、相手チームにとってベッカムのゲームブレイカーとしての能力は時と共に脅威でなくなっていたのは明白だった。フロント陣の考えに従い、マニングに固執するジャイアンツはオフェンス哲学の変更を必要とし、今後は攻撃部門で最優秀新人賞を獲得したランニングバック(RB)セイクワン・バークリーがけん引するランゲームやポゼッションレシービングを中心として攻撃を展開する意向だ。
ベッカムではなくテイトに賭けたチームの判断が功を奏するかどうかはまだ分からない。ジャイアンツはベッカムに対する5年最大9,000万ドル(約100億円)の支払いを退け、テイトに対するベッカムの半額程度の4年契約の支払いと、ベッカムによる1,600万ドル(約17億9,000万円)のデッドマネーを背負う道を選択した。当然ながら、30歳のテイトはより低価格なオプションではあるが、26歳のベッカムの才能に及ばないのは確かだろう。
ベッカムを失うジャイアンツだが、スキルポジションにはまだテイト、バークリー、WRスターリング・シェパード、タイトエンド(TE)エバン・エングラムなどがおり、充分な戦力はそろっている。
残る最大の疑問は、マニングが彼ら4人をうまく使ってベッカムロスのファンたちを慰めることができるかどうかだろう。さもなければ今後数年間、ジャイアンツはWRの呪いに苦しめられるかもしれない。
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