QBタネヒル放出のドルフィンズはフィッツパトリックと契約
2019年03月18日(月) 10:37“フィッツマジック”は今後、マイアミで見ることができる。
ライアン・タネヒルがテネシー・タイタンズへと移籍し、タイロッド・テイラー、テディ・ブリッジウォーターらの獲得に失敗してから1週間経たずして、マイアミ・ドルフィンズは2019年シーズンのために経験値のあるクオーターバック(QB)を獲得した。その名はライアン・フィッツパトリックだ。
現地17日(日)に『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地の情報筋をの話を元に伝えた内容によれば、フィッツパトリックはドルフィンズと2年1,100万ドル(約12億円)で契約に合意したようだ。
マイアミでの新たな契約によって、36歳の“ジャーニーマン”ことフィッツパトリックはNFLで8チーム目、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区では3チーム目を経験することになる。
一気に最高齢かつ最も経験豊富なQBとなるフィッツパトリックは、4シーズンで両者合わせて3試合の出場、5回のパスアテンプトのみを記録するジェイク・ルドック、ルーク・フォークがいるドルフィンズQB陣の仲間入りを果たす。
突発的な爆発力を発揮する傾向のあるハーバード大学出身のQBはスポットでの先発として過去2シーズンをタンパベイ・バッカニアーズで過ごしていた。2018年シーズンのフィッツパトリックは10試合に先発(出場は14試合)したものの、最初の3試合以外での活躍はうだつが上がらないものとなっていた。
ジェイミス・ウィンストンが3試合の出場停止処分を受けている間、先発を任されたフィッツパトリックはシーズン開幕からの3試合で平均400ヤード超えを記録し、合計11回のタッチダウンパスを決めていた。しかしながら、英雄的活躍は突然鳴りを潜め、通常通りに戻ったフィッツパトリックはシーズン第3週と第4週で4回のインターセプトを喫し、ウィンストンに先発の座を明け渡すこととなった。11月の3試合では再び先発に戻ったフィッツパトリックだったが、406ヤードにもかかわらず3得点しかできなかったワシントン・レッドスキンズ戦での黒星を含め、先発した全試合で敗戦を喫していた。
2019年の7巡目指名権、4巡目指名権(全体202位)と引き換えに2019年のドラフト6巡目指名と共にトレードしたタネヒルの代役にドルフィンズが選んだQBはフィッツパトリックが最初ではなかった。
ドルフィンズはまず、最近までクリーブランド・ブラウンズと契約していていたテイラーとの契約を望んだが、最終的にテイラーはロサンゼルス・チャージャーズに加入した。このため方針を換えたドルフィンズはブリッジウォーターの獲得を目指してマイアミに招待したものの、ブリッジウォーターは結局、その前から契約を考えていたニューオーリンズ・セインツと正式合意に至った。
南フロリダではおそらく、フィッツパトリックが2019年の先発QBとなるだろう。ドルフィンズはヘッドコーチ(HC)1年目のブライアン・フローレスの指揮下でチーム再建に着手することが予想され、将来的なフランチャイズQBは今年、あるいは、来年のドラフトで指名されると思われる。ドルフィンズは2019年ドラフトで全体13位の指名権を保持しているが、報道によると、ドルフィンズは2020年ドラフトに登場するとされるアラバマ大学のトゥア・タゴバイロアをターゲットとしているようだ。
次なるダン・マリーノ(チーム史上ベストQB)、もしくは、ジョン・ベック(チーム史上ワーストQB)を手に入れたかどうかがはっきりとするまで、フィッツパトリックはドルフィンズの施設に滞在することになりそうだ。フィッツパトリックであれば、ドルフィンズに2020年ドラフトの上位指名権を授ける可能性も、2015年シーズンのニューヨーク・ジェッツのようにチームをポストシーズン進出目前にまで連れていく可能性もあるだろう。いずれにせよ、絶対的に言えることはフィッツパトリックのマイアミでのバカンスがそう長くは続かないということである。
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