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RBジョンソンが古巣と1日契約、“タイタン”として引退へ

2019年04月25日(木) 13:37

クリス・ジョンソン【AP Photo/Ross D. Franklin】

クリス・ジョンソンが別れを告げに来た。

テネシー・タイタンズ公式サイトのジム・ワイヤットによると、現地24日(水)にナッシュビルを訪問したランニングバック(RB)のジョンソンがテネシー・タイタンズと1日契約を締結し、“タイタン”としてNFLから引退するという。

2008年のNFLスカウティングコンバインで40ヤードを4.24秒で駆け抜けたスピードスターのジョンソンは、まだそのスピードは衰えていないと主張している。

ジョンソンはワイヤットに対して「今すぐトレーニングしたら、まだまだ4.2秒台は出せるような気がするんだ」と語り、笑みを浮かべながらこのようにも続けた。

「ちゃんと準備したら、また1,000ヤードくらいは確実に走れるさ。そんなこと、疑う余地もないよ。自分に先発バックをやらせるオフェンスに置いてみてくれ。そしたら1,000ヤードは軽く超しちゃうだろうね。まだそんな感じにはできるだろうが、次のシチュエーションに向けて動き出す時が来たんだ」

2008年ドラフトの1巡目でタイタンズから指名を受けたジョンソンはそのままタイタンズで6シーズンを過ごした。デビュー1年目から爆発力を見せたRBのジョンソンは251回のアテンプトで1,228ランヤード、タッチダウン9回を記録している。

スキルをさらに磨いたジョンソンはプロ2年目に驚異的な2,006ヤードとタッチダウン14回というキャリアベストのシーズンを過ごし、“CJ2K”とのニックネームを冠するようにもなった。1シーズンで2,000ヤード超えを記録した選手は史上7人しかおらず、ジョンソンはそのうちの1人だ。

相手がいかなるディフェンスかをも問わず、相手のバックたちを圧倒的スピードで置き去りにしてきたジョンソンは、タイタンズでの6シーズンを通じて敵に確実なダメージを与える強力な武器として活躍した。ギャップを見つけてヒットし、飛ぶこともできた猛々しいランナーだったジョンソンはタイタンズでの6シーズンを通じ、毎シーズン1,000ヤード超えのパフォーマンスを披露していた。

しかし、ナッシュビルを去ってからの道のりはCJ2Kにとって下り坂だった。

2014年にニューヨーク・ジェッツとサインしたジョンソンがこのチームでの3シーズンを通じて記録したのはわずか663ヤード。年齢による衰えと戦う中、ワールドクラスのスピードは勢いを失い、コンタクトを避けるようになったジョンソンはすべてのランでビッグプレーを生み出そうとして生産性をも落とした。

ジェッツから放出されたジョンソンは新たなチャンスをアリゾナの地で見つけた。アリゾナ・カーディナルスではヘッドコーチ(HC)ブルース・エリアンスによるシステムの下で、キャリア序盤のようなフォームを取り戻したCJ2K。2015年シーズンの前半の4試合で100ヤード超えを記録したジョンソンはリーグトップ3に食い込むRBとなっていた。しかしながら、シーズン第12週に脛骨(けいこつ)を骨折して早期離脱を余儀なくされ、結局は814ランヤードでシーズンを終えた。

その後の2シーズンもカーディナルスで過ごしたジョンソンだったが、故障や効率の悪さが尾を引き、結局はその2年を通じて8試合の出場、合計209ヤードを記録するのみだった。この結果を受け、ジョンソンはフィールドを去る決断を下したのだ。

ジョンソンはワイヤットに対してこのようにも明かしている。

「自分がまだプレーできるのは確実さ。(引退を宣言する前に)今後どうするかについて代理人とも話し合ったんだ。もう1年プレーするとしたら、テネシー以外に戻る場所はないと思ったね。ぜひとも始まりの場所で終えたかったんだ。当時はチームと議論した結果、そのような方向で話がまとまることはなかった。複雑な感情はなかったし、あの時はうまくいかなかっただけ。だから、自分は引退することにしたんだ」

今、テネシーにおける最高のランナーとして知られるジョンソンはタイタンズの一員として正式に引退することとなった。これが、本来あるべき形だったに違いない。

チームは『Twitter(ツイッター)』でジョンソンの1日契約を伝えている。

「クリス・ジョンソンが正式に生涯のタイタンとなった!」

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