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ドルフィンズQBローゼン、「カーディナルスGMからはここ数カ月間連絡がない」

2019年05月15日(水) 10:48

ジョシュ・ローゼン【AP Photo/Ross D. Franklin】

アリゾナ・カーディナルスがカイラー・マレーを選択したことで、ジョシュ・ローゼンのアリゾナでの時間は1シーズンで終了した。未来のフランチャイズクオーターバック(QB)からただの余剰人員になったこの謀略のような物語は、ローゼンがマイアミ・ドルフィンズへとトレードされた後にも蒸し返されている。

ローゼンがいまだ鮮度の落ちていない当時の様子について口を開き、状況がはっきりと見えてきた。要するに、ローゼンは組織によって闇の中をさまようこととなっていたのだ。とりわけ、カーディナルスのジェネラルマネジャー(GM)を務めるスティーブ・ケイムによってだ。

現地14日(火)、『The Rich Eisen Show(ザ・リッチ・アイゼン・ショー)』に登場したローゼンは、全体1位でのマレー指名があった前後、さらには、ドルフィンズとのトレードの前後にもケイムGMからは一切の連絡がなかったことを明かした。

ローゼンはケイムGMの名前に直接言及することはなかったものの、このように述べている。

「この一連の流れを通じて1つだけ気に障ったのは元GMの人からまだ何も連絡が来ていないということ。その前の数カ月にわたって彼とは話をしていないし、その後も会話をしていないんだ。これにはちょっとがっかりしている。ただ、大部分に関してはもう昔の話だと思うことにし、これから頑張ってフットボールのプレーに集中したいとも思っている」

ローゼンはカーディナルスが全体1位でマレーを指名する直前に電話をかけてきたのがヘッドコーチ(HC)のクリフ・キングスベリーだったとも述べた。

「自分の代理人が“これが本当に起こったとしても驚かないように”という電話をドラフトの5分前にくれていた。その時の自分は“分かった。そういうこともあるだろう。どのような結末になるか見てみよう。だが、どこであれ、自分は競い合っていくつもりさ”と伝えていたんだ。そして、ドラフト指名の1分前に本当にクリフが電話をしてきて、チームがこれからカイラーを指名すると伝えてきた。何というか、クリフには最大限の敬意を払いたいね。彼らがビジネス上、組織やチームにとって最善だと判断して決定した事項を軽視することはない。1人の男として敬意を持ち、それなりの行動を取ってくれたことに感謝している。クリフはその時、自分に今後の健闘を祈ってくれたんだ。そして、ドラフトの翌日にさえも幸運を祈っていると連絡してくれた。自分もクリフには同じ言葉を返したよ。カイラーにも電話やメールをして、“頑張れよ、健闘を祈っている”と伝えたんだ」

「でも、この場所で本当に求められているのはそういうことだろう。理由が何であれ人々は決定を下す。それでも、彼らが男であり、キャリアに敬意を払ってくれるというのであれば、自分はそれもありがたく受け止めるさ」

ローゼンはカーディナルスがマレーを指名した後、キングスベリーHCさえもその後の状況がどうなるかは分かっていなかったと明かした。

「本当に、クリフは“やぁ、ジョシュ。われわれはカイラーを指名しようとしているのだが、実際のところ、今現在何が起きているのかはよく分かっていないんだ”、という感じだった。だから、自分は“俺も分かっていないよ”とだけ返した。でも、そんなこと関係なしに、少なくともクリフは親切にも電話をかけてきてくれた。自分はあのチームのみんなが大好きさ。1人、もしくは、2人くらいの例外を除いてね」

「トレーナーのトム・リードからフィジカルセラピストのブレット・フィスチャー、キッチンのスタッフたちまで、カーディナルスの中にいる多くの人たちが大好きだ。それは信じられないほどにすばらしい経験だった。夢のような時間だったよ。出なきゃいけないのは残念だが、同時にわくわくもしている。本当に興味深い経験となったが、それは今後の物語をもっと面白くするためのものに過ぎないとも思っている」

22歳の若きQBがキッチンのスタッフにまで思いを馳せたものの、GMについての言及がなかったことを考慮すると、ローゼンがアリゾナの地で愛さなかった人物は誰かを言い当てるのは簡単そうだ。

結局、ローゼンは新たな街、新たなチームの一員となり、ライアン・フィッツパトリックと先発の座を争うことになる。ローゼンがマイアミでフランチャイズQBになるとすれば、アリゾナでの時間は経歴の中の1項目となるだけだろう。

カーディナルスは低価格でローゼンを売りさばき、ダイナミックさが持ち味のマレーと共に歩んでいく決断を下した。それはケイムGMによるビジネス的判断だったのだが、街を出ていく元先発QBに対して1チームのGMが見送りの言葉1つもないというのは奇妙な話ではある。

【S】