バッカニアーズが9シーズンプレーしたマッコイをリリース
2019年05月21日(火) 12:35タンパベイ・バッカニアーズがディフェンスの最年長選手から手を引くことに決めた。
バッカニアーズが現地21日(火)、9シーズンにわたってチームでプレーしたディフェンシブタックル(DT)ジェラルド・マッコイのリリースを発表した。
31歳のマッコイの契約にはあと3年が残っており、2019年には1,300万ドル(約14億円)を受け取る予定だった。バッカニアーズのロースターから外れることとなった今、マッコイに関する金額がチームのキャップ内で計上されることはない。
バッカニアーズのジェネラルマネジャー(GM)ジェイソン・リヒトは声明の中で次のように述べていた。
「それらの決断は個人としても、プロとしても、非常に難しい。過去9年間を通じて、ジェラルドはこのフランチャイズの基盤であり、わがコミュニティのリーダー的選手だった。ジェラルドのような選手、人物との別れはこの仕事の中でも非常につらい責務の1つだ。われわれはジェラルドが、彼の妻のエボニーやマッコイ家とともに成功し続けることを願い、彼らがこのオーガニゼーションやコミュニティに残してくれたものに心から感謝したいと思っている」
新ヘッドコーチ(HC)のブルース・エリアンスが年次リーグミーティングの際に、近年のマッコイには爆発力が欠けていると発言して以降、マッコイとチームとの間には溝が生じていたようだ。また、報道によると、バッカニアーズはマッコイをトレードに出そうと試みたものの、1,300万ドルのサラリーを受け入れてくれるチームは見つからなかったとのことだ。
エリアンスHCは21日、「ジェラルドがここにいる間、このタンパにおいて彼がフィールドの内外を問わずに功績を残してきたことは知っている。良い選手も時にチームを離れることは知っているだろう。しかし、今回の決断はわがチーム、そして、ジェラルドが今後前に進んでいくためには下さなくてはならないものだった。ジェラルドは一流の選手だ。彼の今後の活躍を祈っている」と語っている。
マッコイ自身もバッカニアーズでの時間が終わりに近づいていることは感じていたに違いない。先週、2019年シーズンもバッカニアーズのユニフォームを着用するのかと問われたマッコイは「きっとまたどこか違う場所でプレーすることになるだろう・・・(バッカニアーズの)ファンは自分が彼らを愛していることを知っているはず。どこかでまた、フィールドには立つことになる」と述べていた。
チームとの不仲は今回のリリースを示唆していたものの、ここ数年のマッコイが非生産的だったとは言えないだろう。マッコイは過去7シーズン中5シーズンで5回以上のサックを記録していた。リーグに在籍するDTの中ではマッコイが最長となる毎シーズン連続のサック記録を保持しており、2010年以降で50.5回のサックを積み上げてきた。これはすべてのDTを通じて3番目に多い数字でもある。2012年以降、6度のプロボウル選出はディフェンシブライン(DL)マンとしてシンシナティ・ベンガルズのジーノ・アトキンスと並ぶ多さだ。
バッカニアーズはマッコイの代わりとして馴染みのあるDTを選ぶのだろうか。チームは2010年ドラフトで全体2位指名を受けたフリーエージェント(FA)のDTエンダマカン・スーの獲得に乗り出す可能性がある。マッコイはこの時の全体3位指名選手だ。先シーズンのスーは1年1,400万ドル(約15億1,000万円)でロサンゼルス・ラムズと契約を交わしていた。
マッコイを放出する以前より、バッカニアーズはDLの改革が必須の状態だった。先発ディフェンシブエンド(DE)のジェイソン・ピエール・ポールは今月初旬に交通事故によって首を負傷し、最大6カ月程度の離脱が予想されている。
マッコイのスタッツを考慮すれば、その力を必要とするチームは多数あるだろう。マッコイに関したトレードトークの中ではクリーブランド・ブラウンズの名前も挙がっていた。それは1,300万ドルというサラリーがネックとなって白紙となった模様だが、多数の球団がマッコイについて問い合わせを始める可能性は高そうだ。
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