悲劇に立ち向かう弟に闘志をもらうベアーズRBコーエン
2019年07月17日(水) 12:33シカゴ・ベアーズの2019年に向けたモチベーションづくりは大きな話題を呼んだ。
ヘッドコーチ(HC)マット・ナギーが繰り返し昨シーズンのプレーオフでの敗退をチームに見せていることを明かしたのは、ランニングバック(RB)タリク・コーエンだった。
しかし、コーエンには個人的に自らの闘志を駆り立てるものがある。6月に撃たれ、腰から下に麻痺を負った異父弟のダンテ・ノーマンだ。
コーエンは『Chicago Sun Times(シカゴ・サン・タイムズ)』に「ただ彼のためにやりたいんだ。無理だとは分かっているけれど、ただ、彼と一緒に歩きたい」と述べている。
一緒に歩くことはできなくとも、コーエンは兄弟のために走ることはできる。
「彼が俺の理由。俺の兄弟たちや母はいつでも俺を動かす理由だった。毎日顔を合わせて育ってきた、俺の家族がね。でも、今はそこにもう少し燃料が追加されたように感じる」
銃撃事件はコーエンのふるさとであるノースカロライナで6月上旬に発生した。
その状況については固く口を閉ざしてきたコーエンだったが、週末にフットボールキャンプを開催したときにその考えは変わったようだ。参加者にいた車椅子の人物が、コーエンに弟を思い出させたのだという。
「彼に弟を見た。そして、彼がどれだけ楽しんでいるか、俺は見たんだ」と言うコーエンは次のように続けている。
「そのことで、俺は弟のことと、彼の人生がこれからどうなっていくか考えさせられた」
「俺の弟は会うたびに、リハビリの準備ができたとか、そういうことを教えてくれる。彼は自分が立て直せると知っている。それを聞くだけで、俺は彼が戦士だと思い知るよ。あの状況で、自分ならどうするか俺には分からない。起こったことをあれこれと思い悩むかもしれないな。だけど、彼はそれを飲み込み、いつもの自分に戻ろうとしている。だから、そのことが俺をすごくプッシュしてくれるんだ」
【A】