キングスベリーとは「いい関係」とブラウンズQBメイフィールド
2019年12月13日(金) 00:23ベイカー・メイフィールドのうわさを耳にしたことがある人ならば、彼の逸話についてもすでにいくつか知っていることだろう。
2度のウオークオンとなり、(自身の申告によれば)奨学金を一度断られたこともあるメイフィールドの人生は常に周囲の予想を覆してきた。ウオークオンでチーム入りした新人クオーターバック(QB)ながら先発で5勝0敗したにもかかわらず、大学時代の最初のコーチは彼がプログラムにふさわしいと確信することはできなかった。そのため、チームのボウルゲームを前にメイフィールドは自身の仕事を取り戻すために争わなくてはならなかった。それからしばらくして彼は転校することになり、1年休養して再びウオークオンになると、その後はハイズマントロフィーを獲得し、2018年のNFLドラフトでクリーブランド・ブラウンズから全体1位指名されることになる。
前記のコーチというのはクリフ・キングスベリーのことだ。彼はかつてテキサス工科大学(メイフィールドの最初の大学)で指導しており、今はアリゾナ・カーティナルスのヘッドコーチ(HC)を務めている。メイフィールドの第15週の対戦相手だ。
そうなると、試合前や試合後に両者を取り囲むカメラの前で2人が敵対心を向け合い、よそよそしいあいさつを交わす様子が映されるのではないかと思われるかもしれない。だが、それは誤りだ。ドロドロした展開を期待する向きにはあいにくだろうが、今週末のアリゾナでそれは起こらない。
「あれから彼とは話しているし、何度か対戦もしている。言葉の通りだよ」とメイフィールドはキングスベリーについて語った。「俺たちはいい関係だ。当然、彼は俺を倒そうとしているし、俺は彼を倒そうとしている。それに加えて(オクラホマ大学時代のチームメイトでカーディナルスの現QB)カイラー・マレーもいるんだから、面白い試合になるよ」
大学1年目のシーズンでけがを負ったメイフィールドを2度目に起用した際のキングスベリーの対応がQBを間違った方向に追いやってしまい、それはやがて彼の退部へとつながった。何年も前にメイフィールド自身、これにはフットボール部からどれだけパフォーマンスが良くても奨学金をオファーすることはないと言われたことが関係していたと述べている。
「違う方向に行ってほしかったと思うし、違う対処ができれば良かったと思う。だが、人は生きて学ぶものだ」とキングスベリーは11日(水)に語った。
メイフィールドは去ったが、彼がキングスベリーにリベンジするチャンスはこれまで3回あり、その全てで雪辱を果たしている。オクラホマ時代の2017年には自ら“裏切り者”と書かれたテキサス工科大学のTシャツを着て現れたことさえあった。
最終的に笑ったのはキングスベリーに勝ったメイフィールドだった。だが、そのHCは今や彼の大切な友人であるマレーの指導者となっている。両者の仲裁役を務めたのがマレーだった。
今度はどちらが勝つことになるのか。サンデーゲームが楽しみだ。
【M】