チーム脱出を求めたブラウンズの選手たち
2019年12月17日(火) 10:09「俺を連れ出してくれ」
何という願い、何という自由への嘆願だろう。このフレーズがNFLで初めて聞かれたのは、昨年、チームに不満を抱えるセーフティ(S)アール・トーマスがシアトル・シーホークスから獲得してくれるよう、ダラス・カウボーイズに願ったときだ。最近ではオデル・ベッカムがクリーブランド・ブラウンズに不満があるとのうわさの中にもこのフレーズが登場していた。
ブラウンズがアリゾナ・カーディナルスに敗れたときの様子は、この一言がウイルスのように広がったかのようだった。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイケル・シルバーは2つの情報筋の話から、シーズン第15週の試合が終わった後に“複数の”ブラウンズメンバーがアリゾナのサイドラインに“俺を連れ出してくれ”と叫んでいたと伝えた。その中にはワイドレシーバー(WR)ジャービス・ランドリーも含まれていたという。
この負け試合ではランドリーがヘッドコーチ(HC)のフレディー・キッチンズに自らの意見をぶつける姿が見られていた。残り2試合になったところで、フラストレーションはついに一定ラインを超えたようだ。
キッチンズHCは現地16日(月)に「ジャービスは情熱をもってゲームをプレーしている。私はそこが気に入っている。彼はタフで、フィジカルだ。彼は勝ちたがっていて、ジャービスほど激しく勝利を望んでいれば、ときに感情が自分を上回ることがある。だが、私はジャービスに問題を感じていない。彼は私のお気に入りの選手の一人であり、彼のプレーのあり方、人としての彼など、すべてを好ましく思っている」とコメントしている。
確かにランドリーは熱く、情熱的な選手だ。そういった面がランドリーを負けん気の強いプロボウラーにし、ブラウンズに移るにあたって高額の契約を結ぶことにつながった。
しかし、ランドリーをはじめとする面々が示していた感情は、ブラウンズにとって良いものではない。6勝8敗のブラウンズはとてつもなく落胆の大きいシーズンを過ごしており、多くの才能ある選手を集めながらも、期待通りのパフォーマンスに至らないのが常だった。ロッカールームにうずまいた不満は今、フィールドの反対側にまで届いている。
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