最高の称賛をもってブレイディを送り出すクラフトオーナーとベリチックHC
2020年03月18日(水) 03:53100年を誇るNFLの歴史の中で、誰よりも多くの栄光に恵まれた20年を通して、トム・ブレイディはたった1人のオーナーのためにプレーしてきた。
現地17日(火)朝、新時代のはじまりを告げた表明により、6度のスーパーボウル覇者となったクオーターバック(QB)ブレイディは、そのキャリアで初めてロバート・クラフト以外のオーナー、かつ、ビル・ベリチック以外の指揮官の下でプレーすることになる。
クラフトが『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイケル・ジラルディに明かしたところによれば、「トムがペイトリオットとして残りたければ、契約の用意はあった」という。
ブレイディとクラフトの関係は数多くの成功に満ちたシーズンを通して素晴らしいものであることが知られてきた。ペイトリオッツオーナーのクラフトはブレイディの今後の活躍を願うとコメントしている。
歴史的な日となった17日、クラフトは『ESPN』に「昨夜、トミー(ブレイディの相性)から連絡があってやってきた。前向きで丁寧な議論ができた。私が望んだ結末ではなかったが、彼個人にとって最善のことをやってもらいたいと思っている。われわれとともに過ごした20年を経て、彼はその権利を得たのだ。私は彼を息子のように愛している」と述べた。
ブレイディのペイトリオッツ離脱の発表後でさえ、2人の間にある歴史を考えれば、クラフトの発言は驚くことではない。
一方、ベリチックHCはペイトリオッツが圧倒的な強さを誇った時代の中でブレイディがその成功を生み出した1人であるとし、最高の称賛をもってブレイディの信用を保証している。
「トムはわれわれのプログラムに関わったただのプレーヤーというだけではない。彼はオリジナルクリエーターの1人だ。トムはわれわれの文化の中で生活し、受け継いできた。日常で言えば、彼が流れを作り、レベルを上げる存在だった。彼はただ勝利しただけではない。何度も何度もチャンピオンシップを制した。人生においては時として、物事や人物に対する本当の評価を与えるまでに時間を要することがあるが、トムに関して言えばそれに該当しない。彼は特別な人であり、史上最も偉大なクオーターバックである」
「トムと私はこれからもずっと、愛情や称賛、尊敬、感謝の気持ちを持った素晴らしい関係を続けていく。トムのプレーヤーとしての成功、人としてのキャラクターは別格だ。トムのペイトリオッツでのキャリアが終わるからといって、その底しれぬ素晴らしさが変化することはない。彼の厳しい競争力と息の長さをもってして、彼はすべての人の崇拝を得るとともに、永遠に褒め称えられることだろう。20年にわたり、トム・ブレイディをコーチで来たことは私にとって特権だった」
「チームに対して、私個人に対して、彼がやってきてくれたことすべてに心から感謝している」
78歳のクラフトがオーナーを務めるペイトリオッツは2000年、NFLドラフトの全体199位でブレイディを指名。これがおそらくドラフト史上最優良な選択と言える一時代の始まりとなった。以来、クラフトとブレイディの関係は深さを増し、父と息子のような関係性になったことをクラフト自身が明言している。
「私はトムを息子のように愛しているし、これからも変わらない。私個人に対しても、ファンのみんなに対しても多くの幸せをもたらしてくれた。この日が決して来ないことを願っていたし、トムが再びスーパーボウルを制した後、ペイトリオッツのユニフォームを来てその類まれなキャリアを終えてくれればと願っていた。しかしながら、残念ではあるが、その夢を現実のものにするための合意に至ることができなかった。今日という悲しみの一方で、私の中にある圧倒的な感情は、チームとコミュニティにもたらしてくれた彼の惜しみない貢献に対する感謝だ」
ブレイディは最終的にドリュー・ブレッドソーから正クオーターバックの座を引き継ぎ、他に類を見ないほどの成功を収めたペイトリオッツを率いてきた。
「6巡目指名という無名の状態でトムがニューイングランドにやってきたとき、おとぎ話のようなストーリーが展開されること、歴代記録が更新されること、この地域全体に彼がもたらす喜びを誰が想像できただろう。20年後の今、彼は6度のスーパーボウル制覇、9回のAFCタイトル、17回のディビジョナル王者となり、NFL史上最多勝利を誇るクオーターバックとしてここを離れることとなる。彼は模範となるべきチームメイトであり、リーダーだった。トム・ブレイディのような人は二度と現れないだろう」
今後、ブレイディは殿堂入りが確実視されるキャリアにおいて新たな道を歩み始める。クラフトのペイトリオッツも同じように新しいチャプターに進む。
しかしながら、クラフトの心に今後も変わらずブレイディの存在があると判明した中で、ニューイングランドへの復帰が歓迎されることもまた明らかになった。
「今、私はいつか彼をニューイングランドに連れ戻し、史上最高としての彼のペイトリオッツキャリア、絶え間ない偉業、レガシーを称賛する日を楽しみにしている。私は彼のことを心から愛している」
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