QBリバースを迎えて2020年への期待を高めるコルツ
2020年04月01日(水) 11:39将来の殿堂入りが確実視されるクオーターバック(QB)と契約するチャンスは毎年訪れるわけではない。
このオフシーズンにそれを達成したチームが2チームあった。一つはQBトム・ブレイディを迎えたタンパベイ・バッカニアーズ。もう一つがフィリップ・リバースと契約したインディアナポリス・コルツだ。
『The Athletic(ジ・アスレチック)』が現地3月31日(火)に伝えたところによれば、ヘッドコーチ(HC)フランク・ライクは「私が思うに、フィリップは殿堂入りQBだ。過去2年の彼のプレーを振り返っても、フィジカルな部分での低下は見られない」と述べたという。
数字上は2018年のリバースと2019年のリバースにはれっきとした違いがある。リバースのタッチダウン対インターセプト比とパサーレーティングはそれぞれ32対12から23対20、105.5から88.5に変化している。当時の所属チームだったロサンゼルス・チャージャーズも、AFCワイルドカードウイナーから5勝11敗のチームへと転落した。ただし、それらがすべてリバースの肩や腕にかかっていたわけではなく、2019年のチャージャーズは全体として苦戦し、オフェンシブラインに深刻なけがが相次いだほか、スターランニングバック(RB)メルビン・ゴードンがいない状態でレギュラーシーズンが開幕していた。
だが、それもすべて過去のことだ。コルツは記憶に残る2020年シーズンになることを期待して、38歳のQBを熱狂的にインディアナポリスに迎えた。順応プロセスの大きな部分を占めるのがオフェンスを学ぶことだ。しかし、リバースは2014年から2015年にライクがチャージャーズの攻撃コーディネーター(OC)を務めていた経緯から、コルツオフェンスに対する知識がある。
リバースはこれまで自分が指導してきた中で最もスマートだと評価するライクHCは、学習プロセスについて「そう長くかからないだろう」と『The Athletic(ジ・アスレチック)』に語った。
より難しいのは、リバースの同僚となるQBたちと快適な親密さを見い出すことだ。リバースによって先発の職を追われるジャコビー・ブリセットは契約年を迎えている。しばらくの間、NFLチームのメンバーが直接会うことができないため、2人が握手やハグを交わす機会もない。
リバースとの契約を知ったブリセットは「明らかにハッピーではなかった」とライクHCは振り返っている。
コルツは他の多くのチームと同様に、ビデオチャットサービスを用いている。リバースがチームのオフェンス陣に飛び込んでから、同僚のシグナルコーラーについて知るよりも、自分が後任を務めることになる彼らのプレーを収めた映像を見ることに費やしている時間の方が多いかもしれない。少なくとも、今のところは。
一方で、ブリセットにも役割はあるかもしれない。
「ジャコビーを倒すのは難しい」とライクHCは語っていた。
2020年のコルツはベテランのチームになる。リバースが加入したことでその川はどこへ流れていくのか、見てみよう。
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