オルドン・スミス、あがないの機会をくれたカウボーイズに「感謝」
2020年04月03日(金) 00:292015年を最後にNFLから姿を消したオルドン・スミスがあがないの機会を得た。
「人生は素晴らしい。感謝する。俺は恵まれている。俺はカウボーイだ」とダラス・カウボーイズとのサインを終えたスミスは『Instagram(インスタグラム)』に投稿した。
アウトサイドラインバッカー(OLB)のスミスはベースサラリー200万ドル(約2億1,500万円)に200万ドルのインセンティブが追加される1年契約にサインしたと『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロは現地1日(水)に伝えている。過去4シーズンを休養しながらも、彼がリーグ最低年俸より多くの報酬を受け取るというのは驚きだ。
30歳になったスミスは最初の2シーズンのうちは無敵だった。33.5回の大量サックを積み上げ、リーグ2年目の2012年にはサンフランシスコ・49ersでオールプロに選ばれている。
ところが、そこからコース外のトラブルが才能をむしばみ始めた。2013年にアルコールおよび薬物の影響下にありながら運転(DUI)した疑いで逮捕され(彼の逮捕はこれが2度目)、大麻を所持していたことでリハビリ施設に入ることになった。2014年はNFLの薬物乱用規定を破り、個人の行動規範に背いたとして9試合の出場停止に。彼は2015年にもDUIと器物損壊で逮捕され、8月には49ersからリリースされていた。
それから1カ月後に彼はオークランド・レイダースと契約したが、11月にNFLから1年間の出場停止処分を科された。それからスミスが復帰することはなく、2016年と2017年は全て欠場。2018年にはドメスティックバイオレンス(DV)の疑いがかけられたことを受け、レイダースもとうとう彼をリリースした。
そして現在、人生の流れを変えたというスミスは復帰の準備ができたと主張する。
「苦しさの中には美徳がある」とカウボーイズとの契約にサインを終えたスミスは記した。
「人生は常に俺たちに試練を与える。俺は人生の逆境で違う見方をすることを学んだ。被害者だと思って人生を捉えるんじゃなく、俺は神が計画した旅を受け入れることにしたんだ。より良い人間になれるように大きく進歩した」
「当たり前の日々の活動から離れていた今までの時間を使って、見方を変えることについて考えた。どれだけひどい状況にいるかじゃなく、より良い人間として生まれ変わることに集中した。これまで延期していたものに取り組んで、自分たちの究極の可能性に向けて成長しよう」
NFLネットワークのイアン・ラポポートは、カウボーイズとスミスの契約は彼の正式復帰が認められてから有効になると伝えており、チームは復帰に自信を持っているという。
スミスのような背景を持つ選手にカウボーイズがホームランスイングを賭けるのはそれほど衝撃なことではない。ジェリー・ジョーンズが2度目、3度目のチャンスに寛大なことは過去に何度も記録されている。うまくいけばスミスは彼の最大の再生プロジェクトになるかもしれない。
スミスの才能を疑う者は誰もいない。フィールド上の彼はジェット機のように最初の一歩を踏み出し、大波乱を起こせるエッジラッシャーだ。彼のキャリアを破滅させたのはフィールド外の問題が原因だった。
4年間、NFLから姿を消していたスミスがフィールドでどれほどのインパクトを与えられるのかは誰もが知りたいところだろう。キャリア初期のような状態を少しでも取り戻せれば、カウボーイズはこの救済行為に賭けて良かったと思うに違いない。
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