NFL復帰がまだ「信じられない」とオルドン・スミス
2020年04月11日(土) 00:284年の休止を経てNFLに復帰することに、オルドン・スミス自身もまだ現実感を持てずにいるようだ。彼はダラス・カウボーイズの一員として戻ってくることになっている。
「何もかもが非現実的だ。いまだに実感しきれていない」とスミスは現地9日(木)夜に『Fox Sports(フォックス・スポーツ)』のジェイ・グレイザーに語った。「とにかく本当にすごいことだよ。こんなことが起こるなんて、俺はすごく幸運だ」
キャリア初期は順調にスターへの道を進んでいたスミスだが、NFLでのプレーは2015年を最後に止まっている。フィールド外で起こした数々のトラブルによって、彼は今も無期限の出場停止中だ。
4年間在籍したサンフランシスコ・49ersにカットされたスミスは2015年にオークランド・レイダースと契約したが、ここでも出場停止となり、わずか9試合の出場に終わった。以来、彼はフットボールの世界から姿を消している。
2018年、スミスにドメスティックバイオレンス(DV)の嫌疑がかけられ、レイダースもついに契約を解除。そこが人生のどん底だったとスミスはグレイザーに語っている。
「2018年は、そうだな、タフな年だった」と彼は述べた。「俺は真っ暗闇の中にいた。自分自身の中に価値を見いだせなくなっていた。車の下にもぐって眠った夜さえあったよ。それくらい病んでいたんだ。帰る家はあった。でも、あまりにも闇の中にいたためにそうするしかないと思ってしまったんだ」
スミスは車の下からはい出し、最終的に復帰を果たした。
目的や自信を失った軍人やNFL選手を支援するためにグレイザーが創設した『MVP』と手を組み、スミスは人生の軌道修正を始めた。
ある時、カウボーイズの新ヘッドコーチ(HC)のマイク・マッカーシーがそこを訪れ、1つの縁が生まれた。
「顔を合わせた時は、お互い前から知っているような感じがした」とスミスは言う。「俺にとってはそれがすごく重要だったんだ。これまでのプロセスを経て、俺はつながりを感じられる人に囲まれたいと思っていた。彼は本当に親身になってくれて、1人の人間として俺のしようとしていることを理解してくれていると感じた。それがすごく重要だったんだ。決定打になったのは間違いない」
スミスが本当に復帰を実現させるためにはNFLの承認が必要となる。カウボーイズは認められるはずだと考えている。スミスは自分の経験が依存症や自己否定に苦しむ人々の役に立てばいいと言う。
「ひたすら自己分析の日々だった。アップダウンに満ちた長い道のりだったよ。その過程で自傷障害にもなった。やがて俺は自分が誰なのかをより理解できるようになり、どんな人生を望んでいるか分かるようになったんだ。そうしたら、自分がプレーする機会を与えられた試合にすごく感謝するようになった。カウボーイズとNFLが俺に復帰のチャンスを与えてくれて、すごくワクワクしている。これできちんとけじめをつけられるよ」
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