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ホワイトボードとマグネットでドラフトに臨むレイダース

2020年04月16日(木) 15:47

オークランド・レイダースのマイク・メイヨック【Perry Knotts via AP】

このオフシーズンはNFLにかつてなかったような状況になっているが、ラスベガス・レイダースにとっては特にそうだろう。チームがこれだけ尋常でなく、不確かな経験をすることはもうないはずだ。

新型コロナウイルスのパンデミックによって全チームがフリーエージェンシー(FA)をリモートで執り行うことを強いられ、ドラフトも完全にバーチャルな形で実施されることになっている。そんな中、ラスベガスに移転中のレイダースはドラフト前にロースター調整を行っており、大変革のときを迎えているのだ。

レイダースの変革は必要とされていたものだった。チームは2019年に最初の1歩を踏み出して7勝9敗を記録し、一部の、特にジェネラルマネジャー(GM)マイク・メイヨックによる初めてのドラフトで獲得したメンバーが好パフォーマンスを発揮した。メイヨックGMは続くFA期間に今後のカギとなる可能性を秘めるワイドレシーバー(WR)ネルソン・アグホローやラインバッカー(LB)コリー・リトルトン、ニック・クイアコスキー、ディフェンシブエンド(DE)カール・ナッシブ、セーフティ(S)ダマリアス・ランドール、ジェフ・ヒース、タイトエンド(TE)ジェイソン・ウィッテンという面々と契約を交わしている。

そう、ウィッテンがヘルメットにスターのついていない装いをするのは奇妙に感じるかもしれない。しかし、少なくともヘルメットはシルバーのままだ。メイヨックGMはウィッテンがダラスで学んだ知恵をもたらしてくれることに期待している。

チームの方向転換には文化が重要であり、過去20年に勝つことが少なかったチームとなればなおさらだ。メイヨックGMはその部分に意気込みを見せており、このオフシーズンにロースター上の動きがまだ終わっていないことを知っている。アゴラーの加入は好材料だが、メイヨックGMはレイダースにナンバー1レシーバーが必要だという考えを隠そうとしていない。

「トップにはクオリティがあり、そこを通して厚みがある。ワイドアウトの部分でわれわれにもっと良くなる必要があるのは何の秘密でもない。われわれはそれを理解している」とメイヨックGMは述べた。

「ネルソン・アゴラーを迎えることを心から望む一方、それでもさらにワイドアウトを良くしなければならない。これでは立ち話のようなものだ。あなた方はもう少し詳しい話が必要なんだろう。1巡目であれ2巡目であれ3巡、5巡であれ、私はレイダースの必要性と文化に合うワイドアウトを見つけたいと思っている」

そういったカルチャーはときに浸透することによって広まっていく。ビルの中で十分な時間をかけ、いずれは人々の一部になるだろう。しかし、レイダースのスタッフの誰一人として整理することができないカルチャー、つまり、メイヨックの知恵を(少なくとも直接的に)吸い取っているものが、彼のホワイトボードだ。

「今回のドラフトに関していえば笑えるところがある。誰もがバーチャルドラフトがいかにハイテクかを語っているというのに、私のリビングルームを見れば究極のローテクなのだから」とメイヨックGMは言う。

「巨大なホワイトボードが5つあるんだ。名前のついたマグネットがそこら中に多分1,000個くらいある。1976年のドラフトルームにいるみたいな気分だ。バック・トゥ・ザ・フューチャーだね」

メイヨックGMがこのペースで歩んでいけば、レイダースの未来には栄光の過去への旅が待っていることになるだろう。

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