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ジョーダン・ラブ指名後、ロジャースとは「連絡を取っていない」とパッカーズGM

2020年04月25日(土) 08:45

グリーンベイ・パッカーズのアーロン・ロジャース【AP Photo/Ben Margot】

2020年NFLドラフトが幕を開けた現地23日(木)、いつも通りの騒々しさと慌ただしさでトレードやサプライズが見られたものの、おそらく、ユタ州立大学のジョーダン・ラブをドラフトしたグリーンベイ・パッカーズの指名以上に衝撃的なものはなかったと言えよう。

将来の殿堂入りが確実視されるクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースを擁し、昨季はNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップにまで上り詰めたパッカーズが、将来的にチームの顔になることを期待した選手の選択に打って出たのだ。

ロジャースはこの選択をどう感じたのだろうか。

パッカーズのジェネラルマネジャー(GM)を務めるブライアン・ギュートカンストは23日、『Journal Sentinel(ジャーナル・センチネル)』に「まだアーロンと連絡を取っていない」と明かした。

選択の認識においてはいかなるすれ違いも起こり得ると強調したギュートカンストだが、これが何かの終わりの始まりを告げるものではないとも宣言。ロジャースは今なお重要人物であり、パッカーズは今もタイトルを狙っているとも主張するギュートカンストはチームの公式サイトで「アーロンは長いことやっているし、今現在、われわれが取っている行動も分かっている。われわれはNFLで一番のクオーターバックを擁しており、しばらくは彼にチャンピオンシップを戦ってもらうつもりだ」とコメントしている。

「私は彼をプロ中のプロだと思っている。レガシー的なもののためにプレーしており、歴史的なもののためにプレーしているのだと思っている。彼には相当のモチベーションがあることも分かっている」

ラブは身体的な才能を持ちながらも一貫性のなさによって、どこに落ち着くのか予想もさまざまだった。ギュートカンストによれば最初のプランはなかったというものの、ラブの低迷――やや2005年のロジャースを彷彿とさせる――があったことで事態が動き出し、全体30位の指名権を持っていたパッカーズは4巡目指名権をマイアミ・ドルフィンズにトレードすることで26位の指名権を手に入れた。その背景として、インディアナポリス・コルツによるラブ指名を食い止めようと、パッカーズが緊急性を感じたからだろうと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが報じている。

「もともとそうするつもりではなかった」とギュートカンストも明かしており、「われわれのところに転がり込んできた中で希望に見合っていただけ。ベストな判断だったと思っている」と語った。

まだまだ動きの衰えない36歳のロジャースは驚異的な強肩を持ち、昨シーズンは26タッチダウンを記録してインターセプトはわずかに4回しか喫していない。一方、ラブもスピードと強肩を持ち合わせているものの、昨年のタッチダウンは20回(一昨年は32回)ながらインターセプトは実に17回だ。

そのため、計画的なプロジェクトが用意できればパッカーズにとってラブが最も適していると言えるかもしれない。それは理にかなっており、衝撃的かつ非常に疑問の残る4巡目指名権とのトレードに打って出たギュートカンストの公式見解でもある。

「彼のことはいろいろと考えている。確かに重要な場面で活躍できる選手になる能力はすべて持ち合わせている。ただし、実際にそうなるには時間がかかるもの。特にこのポジションではね。これから多くのことをやっていかなければならない」

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