ロジャースはQBラブの指名に驚いていたとファーブ
2020年04月30日(木) 10:11グリーンベイ・パッカーズは昨シーズンにプレーオフを含む14勝を飾り、スーパーボウルタイトルへ向かって進もうと意気揚々だった。
そのことを踏まえれば、今年のドラフトはクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースのレシーバー陣に新たな武器を加えるパーフェクトなタイミングだった。それにも関わらず、パッカーズは将来に備えて全体26位でユタ州立大学のQBジョーダン・ラブを指名したのだ。
これはロジャースにとってまったく馴染みのない状況というわけではない。なぜなら、2005年ドラフトの全体24位で指名を受けたロジャース自身が、かつてはラブの立場だったからだ。ロジャースは殿堂入りQBブレット・ファーブの後任としてチームに選ばれた。今、殿堂入り確実のQBに成長したロジャースは、パッカーズがいずれ誰に後を継いでほしいかを知っている。
当然のことながら、ロジャースがこの動きによって胸を高鳴らせているわけはないとファーブは述べた。
『Rich Eisen Show(リッチ・アイゼン・ショー)』に出演したファーブは「わたしたちが話し合ったことのすべてを話すつもりはない。彼は、ただ彼らがその進路を取ったことに驚いていた、とだけ言っておこう」と語っている。
当時の状況を考えればサプライズだったラブ指名の後に、ロジャースはラブに連絡をとったという。それもファーブにとってはびっくりするようなことではなかった。先述の通り、ロジャースはラブが今直面している状況をかつて経験しているのだから。
その一方、ファーブは多くのパッカーズファンと同じ思いを共有している。今勝つことが目標であるときに、なぜ将来のプランなのか?
「ジョーダン・ラブに対して何か思うところがあるわけではない。彼を軽視しているわけではない。だが、偉大になるかもしれない選手を獲得する――私もそうあってほしいと思っているが――ためにトレードアップするのは、あるプロジェクトを増やすためにトレードアップすることだ。彼にはまだ少し証明されていない部分がある。前向きな要素が多いのは間違いない。しかし、彼は今すぐスーパーボウルにいく力にはなれない」
「そして、リーグの全チームから今のためにプレーしているチームだと言わるなら――もしくは、ほとんどのチームからそう言われるなら――なぜなら、そうではないと言うものが確実にいるからだが、しかし、グリーンベイは今のためにプレーすべきチームの一つだと私は思う。彼らはいかなる武器もドラフトしていない。1巡目だけではなく、私の知る限り、すぐに力になる武器は一つもだ。私が思うに、そのことが、一つの無礼なメッセージをアーロン・ロジャースに送っている。彼には、もしそうするなら落胆しても構わないあらゆる権利がある」
ロジャースにはグリーンベイが今に投資しなかったことに怒る権利がある。まだ第一線でプレーできる能力があるロジャースというQBがいながら、チームはその後のことを見据えていたのだ。その一方でロジャースには自らの経験をもってラブに共感し、ラブの移行をファーブと共に自らがパッカーズで経験した移行よりスムースなものにする助けとなることもできる。
そのことが2020年とその後のパッカーズの未来にどう影響していくかはまだ分からない。だが、今後数年で見守っていくべき話題の一つではあるだろう。
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