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契約延長にはほど遠いTEキトルと49ersの距離

2020年06月01日(月) 04:45

サンフランシスコ・49ersのジョージ・キトル【AP Photo/Wilfredo Lee】

NFLに来てわずか3年で、ジョージ・キトルは自分がリーグ内で最高のタイトエンド(TE)であろうということをフィールド上とNFL Films(NFLフイルムズ)のカメラの前で宣言した。

しかし、ルーキー契約中のサンフランシスコ・49ersのTEはまだそれに見合った報酬を手にしてはいないようだ。これから迎える4年契約の最後のシーズンで、キトルはおよそ213万ドル(約2億3,000万円)を受け取ることになっており、TEの報酬ランキングではマイコール・プライットとマーセデス・ルイスに次ぐ35位に位置している。契約は近く延長されることになるだろう。

ただし、キトルとその代理人は他のフリーエージェントTEと同程度の金額では納得しないつもりだという。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・シルバーに対し、キトルの代理人を務めるジャック・ベクタは、「TEマーケットのことなど気にしていない。私はジョージ・キトルの契約をまとめるために給料をもらっている」と述べている。このキトルの要求を受けて、2月に予備的交渉が行われて以降、無理もないことだが契約交渉に動きはなく、両者の見解は”かけ離れた状態”だと現地29日(金)、シルバーは伝えた。

カンザスシティ・チーフスのクオーターバック(QB)パトリック・マホームズの状況と違い、キトルの契約交渉は最終的に既存のパラダイムを打ち破り、彼をTE最高年俸の選手に押し上げるだろう。

リーグのTEで年間平均報酬が最も高いのはハンター・ヘンリーで、このオフシーズンにロサンゼルス・チャージャーズとフランチャイズタグで1,061万ドル(約11億4,000万円)にサインしている。長期契約でのTE最高額はクリーブランド・ブラウンズのオースティン・フーパーで、ブラウンズでの4シーズンで平均1,050万ドル(約11億3,000万円)を受け取っている。

ベクタのコメントから察するに、キトルは平均1,060万ドルをはるかに超える額を要求していると予想され、スターワイドレシーバー(WR)級の報酬を希望している可能性もある。

そうした大型契約にキトルがふさわしくないと言える者はなかなかいない。2017年に5巡目指名を受けた彼はプロボウルに2度選出されており、2019年のオールプロではファーストチーム入りし、49ersをNFCタイトルに導いた。ブロッキングTEとしてはリーグ最高レベルで、これまで45試合に出場し、レシーブ216回、2,945ヤード、25回のタッチダウンを記録している。同じポジションで彼のレシーブを上回るのは、第54回スーパーボウルで対峙(たいじ)したトラビス・ケルスただ1人だ。

しかし、フットボール界が新型コロナウイルスの影響からゆっくりと日常を取り戻しつつある今、キトルの契約延長は49ersにとってトッププライオリティーではないだろう。

ジョン・リンチの下で49ersは近年、ジミー・ガロポロ、アリク・アームステッド、ディー・フォード、クワン・アレキサンダーと大型契約を連発してきた。2020年シーズンの開幕前にリンチが同様に太っ腹な契約をキトルに与えるかどうかはまだ分からないが、まずは両者が会話するところから始める必要がある。

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