NFLとNFLPAがプレシーズン短縮を検討
2020年06月11日(木) 10:14NFLとNFL選手連盟(NFLPA)が2020年のプレシーズンを短縮する可能性について話し合っていると、『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが状況を知る人物の話を元に現地10日(水)に伝えた。
まだ決定に至った、もしくは決定に近いものはないが、複数のチームの幹部は現在の話し合いによって通常のプレシーズンスケジュールの半分、すなわち4ゲームから2ゲームになる可能性について知らされているとペリセロはつけ加えた。プレシーズンが短くなることで、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの影響によって選手たちがチームでのオフシーズンワークを行うことができなかったリーグに、より長い準備期間が与えられることになる。
ペリセロによれば、集合日を例年より早くして選手たちがトレーニングキャンプや実際の試合に参加するための身体の調整を行えるようにする話し合いも行われていたという。選手が早い段階でチームに合流することにそれほど気乗りしないのではないかという考えが出たため、プレシーズンを短くすることが現地9月10日(木)という開幕日を踏まえた上でより長い準備期間を設けられる方法ではないかという議論が生じた。
おそらく最も重要なのは、プレシーズンを短くして準備期間を長くすることによって、リーグの医療専門スタッフがCOVID-19に対する安全策や検査手順等をよりスムーズに実装できる点だ。
ペリセロは『NFL NOW(NFLナウ)』で「レギュラーシーズンが始まったときにはこれらのいずれも必要にならない。検査プロトコルや試合のプロトコルを試し、十分に把握するのは完全にプレシーズンのことだ」と語っている。
「2011年を振り返ってみれば、ロックアウトが終わった後に数字上でもリーグにはハムストリングやアキレス腱の負傷など、数々のけがが発生した。皆、ベストとは言えない状態で戻ってきていた」
「それが、今NFLとNFLPAが何らかの準備期間、おそらく通常は春に行われる1週間のフェーズ1を設けようと話し合っている理由だ。その後、選手が練習の環境でフィールドに戻る前にも1週間のフェーズ2が想定されている。少し計算してみれば、7月最終週までにそれがスタートしなかった場合、わずか数週間で基本的なストレングス&コンディショニングからゲーム環境でのプレーまで行くのは本当に難しくなる」
パンデミックに際してあらゆる分野で見られたことではあるが、特にスポーツの世界では時間が今使える最大の資源になる。他のリーグがシーズン途中での運営中断を強いられ、復帰に向けて創造的なアプローチをとっている中、NFLはアメリカにおけるパンデミックの影響をオフシーズンに経験している。
ただし、時間はなくなりつつある。トレーニングキャンプの開始まで2週間を切り、プレシーズンゲームはそのすぐ後にやってくる。時間を作り出す必要性と力があるのであれば、そうするのがどうやら賢明なようだ。
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