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NFLの新型ウイルス対策に懸念を示すレイブンズHCハーボー

2020年06月14日(日) 00:58


ボルティモア・レイブンズのジョン・ハーボー【NFL】

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによって、NFLのオペレーション計画を含めたほとんど全てが流動的な状況になっている。

NFLは最近、トレーニングキャンプでチーム施設に選手たちが戻ってきた際に適切なソーシャルディスタンスを保つための手順や要件を発表したが、これについて現地11日(木)、ラジオインタビューでボルティモア・レイブンズのヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーは“人間的に不可能”だと懸念の声を上げた。

「われわれはできることを全てするつもりだ」とハーボーは続けた。「距離を取り、マスクを着ける。だが、知っているだろう、これはコミュニケーションスポーツだ。人と人が互いにコミュニケーションを取らなければならない。練習をする必要がある」

リーグは“科学とデータをベースに意思決定を下す考えを明確にした”と『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロは19日(金)の『NFL NOW(NFLナウ)』で伝えている。日々アップデートされるデータと同様、全てが流動的ということであり、一部プロトコルは数週間のうちに変わる可能性もあるということだ。これほどの要件の下で活動することが可能なのかどうか、ハーボーのように疑問を抱くことは当然予想された。何しろ、プレシーズンの準備の仕上がり次第で情勢がおおむね固まってしまうのがこのスポーツだ。

それでもチームたちは適応を強いられるだろう。その場合、リーグの決めたソーシャルディスタンスの基準を満たすためにトレーラーを何台か取得してミーティングスペースを増やすことが必要になるかもしれない。ペリセロによれば、“チームの中には、距離を保ったまま180cm超の選手たちを収容できる2つ目のロッカールームを持たないところもある”という。また、“チームメイトを含めて全ての人と距離を取るように”という警告が与える精神的影響についてもペリセロは触れている。日曜日に3時間のコンタクトスポーツをプレーするために、その状態が1週間続くのだ。

「別のヘッドコーチに言われたことだが、問題は他にもある」とペリセロは続けた。「これからますます練習は激しくなっていくが、今年は春の練習がなかった。この先8月までずっと十分な練習、パッドを付けたトレーニングができないかもしれない。そのヘッドコーチは、“どうやってチームを選べばいいのだ?”と言っていた」

「プロスカウト部門はプレシーズンが縮小される可能性を見て、ウェイバーでどうやって他のロースターを評価すればいいのかと苦悩している。疑問は山ほどある」

チームミーティングや練習に参加するためには、何よりもまず、毎日の新型コロナウイルス検査にパスしなければならない。そうした検査を適切な装置で全て実施するために、リーグは3つの入札から1社を選び、その検査設備の運営を任せることになる。それは、“莫大(ばくだい)な費用のかかる試み”だとペリセロは述べた。

リーグはトレーニングキャンプの開始日決定に向けて動いており、ほぼ伝統的なスケジュールに近いものになると思われる。それまで、全32のクラブは新プロトコルと指示に従いながら、日常生活と同じように物事が変革の時を迎えているのだということを受け入れなければならない。

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