QBマホームズを止める公式などないとレイダースDEクロスビー
2020年06月15日(月) 14:43NFLのスターターとして2シーズンを経験したカンザスシティ・チーフスのクオーターバック(QB)パトリック・マホームズは、NFLのMVPとスーパーボウルMVPに上りつめた。その過程には、対戦相手たちからの惜しみない称賛と困惑があった。
ライバルチームであるラスベガス・レイダースの選手にして、まだ1シーズンしかNFLでのキャリアがないディフェンシブエンド(DE)マックス・クロスビーは、驚くほど見事なマホームズを封じる確実な道などないと知っている。
クロスビーは総合格闘技(MMA)のレポーターに「マホームズを止めるための決まったやり方なんてない」と話し、次のように続けた。
「だけど、混乱させ、うるさくつきまとって、邪魔をし、がむしゃらにやっていくこと。俺たちはとにかくやって、カンザスシティを倒さなければならない」
実際、現スーパーボウル王者であるチーフスはAFC西地区のタイトルを4年連続で獲得している。
昨シーズンのクロスビーはレイダースの最高にあたるサック10回を決めたものの、チーフス戦でのサックは一度もなかった。シルバー&ブラックに対して5連勝中のチーフスは、昨年は合計68対19でレイダースに圧勝している。クロスビーの狙いは昨年とは違うやり方でマホームズとチーフスを追い詰めることだ。
また、クロスビーは自身とレイダースの今後の見通しに胸を躍らせている。
2020年はサックを何回記録できるか尋ねられたクロスビーは「何についても予測するつもりはない。ただ自分のやることをやり、自分の能力のベストをもってプレーするだけだ。たくさんのプレーを決め、存在感を示していく」と答えた。
クロスビーは自分と同じくMMAファンであるジャクソンビル・ジャガーズのDEカシアス・マーシュと南カリフォルニアでトレーニングをしたとも話している。ラスベガスでUFC 248が行われた際、クロスビーはその場を訪れてUFCライト級チャンピオンのハビブ・ヌルマゴメドフ(28勝0敗、フィニッシュ18回)と会っていた。ヌルマゴメドフはレスリングという基盤を強みに頂点へ到達した選手であり、そのニックネームが “イーグル”であるのに対し、クロスビーは“コンドル”という二つ名を持っている。
UFCのパウンド・フォー・パウンドランキング(体重差がなかったと仮定しての強さのランキング)で2位であり、2人しかいない無敗のUFC王者の一人であるヌルマゴメドフを指し、クロスビーは「ハビブは、彼は獣さ。世界で最高のファイターの一人だ」と称賛した。
「イーグルに会うこと、コンドルであること。すごくクールなつながりだったね」
では、ヌルマゴメドフが史上最強のファイターなのか? クロスビーの意見では、そのタイトルは長くUFCミドル級王者だった“ザ・スパイダー”ことアンデウソン・シウバのものだという。2006年から2012年にかけての全盛期に、シウバはある段階で17連勝と15回のフィニッシュを決めていた。
シウバこそオリジナルの“GOAT”(史上最強)だと考えるクロスビーだが、自分の分野でいうとそれは誰にあたるだろう。ディフェンシブラインマン(DL)における巨頭とは誰か問われたクロスビーは、次のように応じた。
「レジー・ホワイトとブルース・スミスが入ってくるのは間違いないね。たくさんいるから難しいな。個人的には、ジャレッド・アレンもそこにいると思う。俺の個人的な考えだから、賛成しない人もいるだろうけど。この3人と、それからパスラッシャーとしてはローレンス・テイラーも外せない。彼も間違いなく入るだろう。それに、アーロン・ドナルドも入ってきそうだ。名前を挙げるには多すぎる。あんたにだって何人か思い当たるだろう」
この競技におけるトップパスラッシャーの話で言えば、マッド・マックス、もしくはコンドル、あるいはシンプルに呼んでクロスビーの名も、きっと一流どころに数えられるようになるはずだ。
【A】