今のRBの契約は「失礼」とエイドリアン・ピーターソン
2020年06月29日(月) 16:20NFLですでに14シーズンにわたってプレーしてきたワシントン・レッドスキンズのランニングバック(RB)エイドリアン・ピーターソンは、殿堂入りするまでにまだまだしゃかりきに走り続ける予定だ。そんな彼は2007年に自身がミネソタ・バイキングスに7巡目指名されてから今までの間で、RBに対するフランチャイズのアプローチと見通しに大きな変化を見てきた。
重い責任を負うことの多いRBの立場を考えると、最近のNFLに見られる契約の傾向は彼らを軽視していると、35歳の元MVP選手は率直な意見を述べた。
「正直言って、失礼だ」とピーターソンは『TMZ Sports(TMZスポーツ)』に話している。「本当にそう」
この発言を裏づける例はいくらでもある。現に、レッドスキンズで昨年898ヤードを獲得してチームのラッシングをリードしたピーターソンが、現契約の2年目にして最終年で225万ドル(約2億4,000万円)を受け取る予定なのだ。
テネシー・タイタンズを背負ったRBデリック・ヘンリーはプレーオフで2度の大逆転に大きく貢献したにもかかわらず、長期契約どころかフランチャイズタグをつけられた。その一方でクオーターバック(QB)のライアン・タネヒルはテネシーでたった1シーズンプレーしただけで長期契約を手に入れている。RBトッド・ガーリーは2018年にロサンゼルス・ラムズと大型契約を結んだが、今オフシーズンにリリースされた。ガーリーの新天地となるアトランタ・ファルコンズの元RBデボンタ・フリーマンは未だに自分に合うチームと条件のいい契約を探している状況だ。ピーターソンの元チームメイトであるミネソタのRBダルヴィン・クックも好条件の契約を求めているが、そもそもRBと長期契約を結ぶことに反対する意見が存在する。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、2019年にサラリーキャップナンバーが高かったRBの上位10名の中で、所属チームがプレーオフまで進んだのはたったの2名――ヒューストン・テキサンズのラマー・ミラーとサンフランシスコ・49ersのジェリック・マッキノン――だった。しかも、2人ともけがによりシーズンを逃している。
RBはもはや攻撃の目玉ではなく、今のNFLではたいてい重要な歯車かそれに近い役割としてみなされている。複数の選手を起用するコミッティーアプローチは多くの場合、毎試合20回以上のキャリーを稼ぐ主力RBを他と入れ替えてきた。
だがピーターソンは若手とベテランのミックスによって支払い構造には変化が訪れるかもしれないと考えている。
「変化はもうじきやってくる」とピーターソンは語った。「俺とインディアナポリス・コルツのRB、フランク・ゴアは常に“俺たちには価値があるんだ。俺たちだって10年、14年の長いキャリアになるかもしれないんだから、QBと同じように大事に扱ってくれよ”ってことをみんなに示しているんだ」
このオフシーズン、パンサーズの原動力である24歳のRBクリスチャン・マカフリーはパンサーズと4年6,400万ドル(約68億6,000万円)の大型契約を結んだ。昨年、ダラス・カウボーイズのRBエゼキエル・エリオットがサインしたメガ級の契約に続く。
「彼ら若手の中心RBたちは本当にいい方向に状況を変えている」とピーターソンは述べた。「今後も彼らのような選手を獲得し続けることで、リーグ内でのRBの価値が高まるはずだ」
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