フットボール時代は「過去のこと」とジョニー・マンゼル
2020年06月30日(火) 12:54クオーターバック(QB)ジョニー・マンゼルのプロフットボールキャリアが始まったのは2014年5月8日の夜だった。そして、そこから5年が過ぎないうちに、旅路は終わった。
元1巡目指名選手であるマンゼルの挫折はよく知られていることだが、フットボールにおける未来については分からない状態だ。最後にマンゼルの姿が見られたのは、メンフィス・エクスプレスのメンバーとして立ったアライアンス・オブ・アメリカン・フットボール(AAF)のフィールドだった。このリーグが――まるでマンゼルのNFLキャリアのように――唐突に破綻する前のことだ。今、マンゼルはゴルフをするなどして、“ジョニー・フットボール”だったときにはなかったほど人生を満喫している。
『Lubbock Avalanche-Journal(ラボック・アバランチ・ジャーナル)』のドン・ウィリアムズによれば、マンゼルは自身のフットボールキャリアについて「俺がそれを何と言うかといえば、多分、もう過去のこと、ってことになるんだろう」と語った。
「俺はようやく、人生の幸せを築こうと努力するところまできた。フットボールフィールドでの幸せではなくね」
「多くの人が、俺がカムバックしてプレーし、もう1度やってみることを望んでいるだろうってことは分かっているけれど、一人の人間として存在し、まだ若い一人の大人として人生を見つけつつある――何とか見つけようとしている――限り、自分が今よりもいい場所にいたことがあるか俺には分からない。俺は率直に今の自分が幸せで、毎日笑顔でいようとするために正しいことをしていると言えるし、それはフットボールのフィールドで身をすり減らすよりも自分にとって意味のあることだ」
「自由になる時間があるときにする仕事、とにかくそれだったと思う。自分自身できちんとやっているときには、それがまさにフィールドで実際に起こることに一致する。自分がすごくいいとか、そのゲームよりも優れていると考えだせば、それが自分をおとしめることになる。起こったのはそういうことだ。俺はおとしめられた。そういう機会があったことをありがたく思っている。自分が世界の頂点にいるような気がしているとき、それは危険な場所なんだ」
マンゼルは自分の自由になる時間を、自身の名声に酔うために費やした。本来ならその名声を築いてきたゲームに備えるための時間を浪費したのだ。それは過去のチーメイトたち(そしてマンゼル自身)も認めるところだろう。マンゼルにプロとしてのスタートに対する準備ができていなかったのは明らかだった。2016年にクリーブランド・ブラウンズを追われてからもカナダでチャンスを得たマンゼルだったが、インパクトを残す前にCFLからも追放されている。
「ドラフト指名を受けた頃、俺は最高の選手になるために必要な時間を費やしていなかったし、自分の心がそこにあったとは思わない。カナダに行った時も同じさ。俺はこれが自分のやりたいことだって心から信じていたし、思っていた。でも、俺の心はそこになく、ああなってしまった」
「俺のことは呼びたいように呼べばいい。でも、結局のところ俺は自分のやったことを誇りに思っている。自分が達成したことを誇りに思っている。俺は自分自身を前より良くした。家族の生活を良くした。カレッジフットボールで信じられないくらいのプレーをするチャンスを得て、NFLではうまくいかなかっかけれど、それはそれでいいのさ」
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