ニュース

イーグルスWRデショーン・ジャクソンが反ユダヤ的投稿を謝罪

2020年07月08日(水) 16:58

フィラデルフィア・イーグルスのデショーン・ジャクソン【AP Photo/Matt Rourke, File】

ワイドレシーバー(WR)デショーン・ジャクソンが『Instagram(インスタグラム)』で行った“攻撃的で害があり、間違いなく最悪の”発言について、フィラデルフィア・イーグルスが落胆を示している。

イーグルスは現地7日(火)に発行した声明で、チームは“引き続きこの件について判断していく”と述べた。

「われわれはデショーン・ジャクソンと彼のソーシャルメディア上の投稿について話し合った」と声明にはある。

「彼の意図とはかかわりなく、彼が共有したメッセージは攻撃的で害があり、間違いなく最悪だった。われわれの社会にはそういった言葉が存在する余地がなく、このオーガナイゼーションはいかなる意味でもこれらを容認したり、支持したりすることはない。われわれは落胆しており、謝罪するだけではなく、自分のプラットフォームを用いて団結と平等性、敬意を促すことの重要さをデショーンに対して繰り返した。われわれは引き続きこの件について判断し、適切な行動をとっていく。こういったことをわれわれは深刻に受け止め、教育し、学び、成長するために、デショーンやわれわれのすべての選手、コーチと重要で実りある対話を持つ」

ジャクソンは火曜日にソーシャルメディアを通じて謝罪のメッセージを2度投稿した。声明の全文が掲載された2つ目の投稿には次のように記されている。

「俺はユダヤ人のコミュニティに、ジェフリー・ルーリー(イーグルスオーナー)やハウィー・ローズマン(同ジェネラルマネジャー)、ダグ・ペダーソン(同ヘッドコーチ)、そしてイーグルスのオーガナイゼーションと俺たちのファンに対し、俺がソーシャルメディアで公開した投稿の無神経さと間違いについて謝罪したい。この分裂のときにおいて、俺は子どもたちにとってこの世界をより良い場所にするために、自分の役割を果たすことに力を注いできた」

月曜日、ジャクソンはインスタグラムに誤ってアドルフ・ヒトラーの発言だとされている言葉の画像を投稿した。そこには“(白人の)ユダヤ人はアメリカを脅迫するだろう。(彼らは)アメリカに強要する。世界を支配するという彼らの計画は、自分たちが何者なのかを黒人が知ったときに機能しなくなるのだ”とつづられている。

これは実際のヒトラーの発言ではなかった模様だが、ジャクソンは実際の言葉だと考えているようだった。

ジャクソンはまた、ネーション・オブ・イスラムのリーダーであるルイス・ファラッカンによるインスタグラムへの投稿を共有。ユダヤ人の名誉毀損防止連盟(ADL)や南部貧困法律センターをはじめとする監視機関が、ファラッカンについて反ユダヤ主義で同性愛に差別的だとしている。

投稿に対して批判を受けた33歳のジャクソンは、自分の投稿が誤解されていると述べた。

ジャクソンはヒトラーのものとされていた発言の一部にハイライトをつけて投稿しつつ「俺の投稿から俺がユダヤ人コミュニティにヘイトを持っていると感じた人がいれば、それは俺の投稿を間違った形で受けとめている。俺の心には、誰に対してもヘイトなんてない!! 平等。みんな平等なんだ」と記している。

火曜日の早い段階でジャクソンはインスタグラム上で謝罪し、自らの投稿について「誰であっても、どの人種であっても、それに対して、特にユダヤ人コミュニティに対して、何らかの感覚を与えることを意図したものじゃなかった。本当に申し訳ないし、何らかの人種や宗教をけなす意図は決してなかったことを理解してもらえたらと思う」と説明した。

「俺は自分のところに送られてきたたくさんのものを投稿している。俺は誰に対しても憎しみを持っていない。俺はこの文章が何を言っているか、本当に理解していなかった。ヒトラーはユダヤの人々に、アフリカ系アメリカ人たちがこれまでに被ってきたような、ひどい苦しみをもたらした。俺たちは反ユダヤ主義や人種差別に対し、共に戦うべきだ。これを投稿したのは間違いだったし、これを投稿したことを心から謝罪し、俺が苦しめてしまった人に対して申し訳なく思っている」

NFLはジャクソンの投稿に対して、このように応じていた。

「デショーンのコメントはまったく不適当かつ攻撃的、対立的で、NFLの価値観である敬意、平等、一体性と対局にあるものだった。われわれはこの件についてデショーンとともに対処しているチームと連絡を取っている」

ADLのフィラデルフィア支部は『Twitter(ツイッター)』で「ADLはインスタグラムへの投稿についての(ジャクソンの)謝罪と、(イーグルスによる)それらの投稿への批判に感謝する。彼がこれを機会にユダヤ人コミュニティと協調し、反ユダヤ主義がいかに危険で人を傷つけるものであるかについて学ぶことがわれわれの希望だ」と述べた。

ジャクソンは2019年に3年2,700万ドル(約29億円)の契約を結んでイーグルスに戻っていた。昨シーズンは負傷によって3試合の出場にとどまったものの、2020年は万全な体調を取り戻すと見られている。

【A】