キャンプ序盤2週間は連日ウイルス検査を実施
2020年07月21日(火) 09:42NFL選手らはトレーニングキャンプの最初の2週間に新型コロナウイルス(COVID-19)の検査を毎日受けると、リーグのチーフメディカルオフィサー(医務部長)であるアレン・シルズ医師が電話会議で語った。選手らがチーム施設に入る許可を得るためには、2回以上の陰性結果が必要になる見込みだ。
この2週間に選手、コーチ、フットボールチームと近い接触のあるスタッフの陽性率を調査し、陽性率が5%を下回る場合、1日おきの検査に移行する。リーグ全体でのトレーニングキャンプ開始日は現地7月28日(火)となっている。
NFLPA(NFL選手会)とリーグは月曜日にこれらのプロトコルに合意した。
NFLPAは検査手順についての声明で「われわれの選手会はもっとも強力な検査、追跡、治療プロトコルを追求している。われわれが合意した検査プロトコルは、われわれが安全に仕事に復帰する上で非常に重要な要素であり、このシーズンにプレーし、それを完了するための最良のチャンスをもたらす」と述べている。
このニュースが明らかになる前日の日曜日、選手たちはキャンプ開始に向けてリーグの健康安全対策の準備状況に対する懸念をソーシャルメディアで示していた。テストの頻度はその中でもリーグと選手会の間で解決されるべき大きな問題の一つだった。選手らは毎日の検査実施を求めており、あるオーナーは先週末に、来週に選手がそれぞれの自宅からチーム施設へと移動するにあたり、かなりの数の陽性反応が出る可能性があると話していた。
陽性でありながら無症状の選手の場合、最初の陽性結果から10日後、もしくは最初の検査から5日以内に2回連続で陰性結果が出た場合にチーム施設に戻ることができる。陽性で症状もある場合、症状が出てから最低でも10日後、かつ最後に症状が出てから最低でも72時間が経過した後に復帰可能だ。
症状が出た者と濃厚接触のあった選手は検査を受け、可能な限り迅速に隔離される。検査結果が陰性の場合、かつ選手が継続的に無症状の場合は施設に戻ることができるものの、症状のモニタリングと検査の頻度を増加する。新型コロナウイルスの陽性反応が出た者と濃厚接触があった選手は検査を受け、仮に結果が陰性で本人が無症状であっても、施設復帰前にもう一度陰性と判定される必要がある。
NFLとNFLPAが合意した最終的な検査手順は初期スクリーニングのタイムラインもカバーしていると『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが報じた。選手らはキャンプの初日と4日目に検査を受け、間の2日間ではリモートでのエデュケーションが行われる。この手順の背景にあるのは、間に日にちをおくことで増加しつつあるウイルスを捉えやすくなるという考え方だ。
NFLは全32チームの検査を実施するために国立研究所と契約しており、リーグが必要とする大量の検査によって地域の検査体制に影響が出ることはない。NFLは結果を24時間以内に受け取る見込みだ。
選手らは施設入館、練習、チームの移動等、すべてのチームアクティビティで接近性を記録するデバイスを身につけ、これらのデータはきわめて正確な接近性追跡情報をもたらす。シルズ医師はこの情報によってどの選手やスタッフと感染者が濃厚接触したかが分かるため、それらのメンバーを迅速に検査・隔離できると話した。練習が始まる上で、特に重要になってくる部分だ。
一方でシルズ医師は、感染リスクを抑えるための施設内外での振る舞いについては選手やスタッフの自己責任だと強調している。
「安全性を保つための方法についてはテストできない」とシルズ医師は語った。
医師がウイルスの知見を深め、新たな検査方法が確立されるに従い、これらの手順はシーズンを通して変化していくともシルズ医師は述べている。
リーグと選手会の間にまだ残っている大きな問題としては、トレーニングキャンプの構成等がある。1週間のコンディショニング期間の後、選手たちは通常の練習に向けてパッドを装着することになると見られている。また、両陣営はプレシーズンゲームの試合数について――実際に実施するとして――についてもまだ話し合っているところだ。選手側はプレシーズンゲームを実施しないことを望んでいるが、リーグは2試合の実施を希望しており、最近になって1試合のプレシーズンも提案している。
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