自分の無自覚さが多くの人を傷つけてしまったとセインツQBブリーズ
2020年08月03日(月) 16:52国歌演奏中にNFL選手が膝をつく行為についての発言が大々的に批判されたのを受けて、ニューオーリンズ・セインツのクオーターバック(QB)ドリュー・ブリーズは6月に2つの謝罪文を出した。
現地1日(土)にメディアとの対話の中でブリーズは後悔の気持ちを繰り返し語っている。
「6月3日の発言の時、僕が社会的正義について彼らと同じ側ではないとニューオーリンズやルイジアナ州、そして黒人コミュニティーの人々が思ったのかと一瞬でも考えると、心が完全に折れた」とブリーズは『The Times-Picayune(ザ・タイムズ・ピカユーン)』のロッド・ウォーカーに語っている。「心が砕けた。もう2度とあんな思いはしたくない。あの日、僕は機会を失ったことを悟った。黒人コミュニティーが直面している社会的不正と、国としてそれを支援する必要性について話し、強調し、組織的な改革が必要だと主張する機会が僕にはあったはずだ。だけど、あの時の僕の無自覚さが多くの人を傷つけることになってしまった」
自分自身は国歌演奏中に立つが、そうしない人にも敬意を払い、黒人およびヒスパニック系コミュニティーの擁護者として、奉仕し、先頭に立つ責任を感じているとブリーズは明快にした。エマニュエル・サンダースとマルコム・ジェンキンスをはじめとする、彼のコメントに傷ついたチームメイトとも和解したと加えた。
「国旗が僕にとって意味すること、そして、この国のために犠牲になった方、この国のために奉仕して亡くなった方、この国を前進させるために奮闘してきたすべての人たちを称えるために、常に国旗のために立つつもりだ。だが、この国で多くの人が耐えてきた社会的不公平と体系的な人種差別に注意を喚起するために、ひざまずくことや他の形で平和的な抗議を選択する人も認め、そして敬意を払う。僕は社会的な不正との戦いの中で、常に黒人やヒスパニック系のコミュニティーを支援し、擁護していきたいと思っている。常にだ」
このオフシーズンはNFL内外の関係者にとって前代未聞のものとなった。
しかし、ブリーズにとっては引退を見送る決断をした時期でもあった。彼は土曜日に引退を真剣に検討していたことを明らかにした。
「それは間違いなく僕が真剣に考えた決断だった」とブリーズは『NOLA.com』のエイミー・ジャストに話している。「最後にはチームに戻ることを選んだ」
戻ったチームは攻守ともに才能にあふれ、先の目標は高い。戻る決め手になったのはスーパーボウルへの出場だったとブリーズは付け加えた。
「だから戻ったんだ」とチーム公式サイトの記者であるジョン・デシャジアーに話している。
だが優勝への抱負がいかに大きくとも、“Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)”の動きや新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのことを考えると、この先のシーズンはロンバルディトロフィーを競う以上の意味をもつことをブリーズは十分に認識している。
ブリーズは言った。「今年はフットボールよりもはるかに大きな意味を持つ1年になる」
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