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ペイトリオッツHCベリチックは開幕時のQBプラトーンを否定せず

2020年08月20日(木) 16:08


ニューイングランド・ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチック【AP Photo/Carolyn Kaster】

クオーターバック(QB)キャム・ニュートンがすぐに先発としてラインアップするという仮説が揺らいでいる。

ペイトリオッツがニュートン、ジャレット・スティッドハム、ブライアン・ホイヤーをローテーションさせてトレーニングキャンプを開始する中、ニュートンが短い期間で急速にオフェンスを学んでいることがフォックスボローからの報道で明らかになっている。

今後を占うためのプレシーズンアクションがないため、ペイトリオッツで20年続いたトム・ブレイディ時代に代わるセンター下のオプションについては、幅広い選択肢が想定可能だ。

現地19日(水)に行われた記者会見で『NBC Boston(NBCボストン)』のフィル・ペリーがビル・ベリチックヘッドコーチ(HC)に提示したのは、開幕戦でプラトーン・システム、または複数のQBを起用するやり方を採用するという選択肢だった。ベリチックHCはこれに否とは答えていない。

「それも(チームに利が)あるだろう。常に言っているように、私はチームにとってベストだと考えることをやる。われわれに勝利のチャンスを最も与えてくれることだ。だからこそ、それが何であれ、私は確かに検討するだろう。アンバランスドラインであれ、ダブルのアンバランスドラインであれ、23パーソネル(RBが2名、TEが3名)であれ、何でも検討する。それが勝利に役立つならば、何だって検討する」とベリチックHCは語った。

だが、昔からこう言われている。QBが2人いるなら、1人もいないのと同じだと。

しかしながら、今が不完全なオフシーズンになっていることを踏まえれば、ペイトリオッツが複数のQBを用いてシーズンをスタートし、残るシーズンで一人に絞ると言う手法も可能だ。ベリチックHCのチームは9月をシーズン終盤に向けて自分たちを理解するために使うことで知られている。シーズン開幕時に複数のQBを起用するのは、その哲学の延長線上にあるだろう。

1週間を通じてペイトリオッツのキャンプを取材していた『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ジアルディは、チームがこの時点で望むほど迅速にはニュートンがすべてのスローを理解してはいないと報じた。元MVPが7月8日になってからチームに合流したことを考えれば、それも驚きではない。しかしながら、スティッドハムもパーフェクトではなく、練習で複数回のインターセプトを喫していた。ジアルディは現時点でホイヤーがオフェンスを最もよく把握していると伝えている。

ベリチックHCはシーズン第1週が近づくにつれてローテーションを狭めていき、1人のQBが大部分の練習を担当するようにしたいと話していた。まだ、その地点には達していないようだ。

「いずれそれが起こる地点が来るのは明らかだ。だが、今は私が言ったように、練習して基本を固める機会を全員に与えている。そして、それをすべてのポジションで行っている。つまり、全員がローテーションに入っており、基本のプレーを行って基礎を飲み込む機会を与えられているということだ。もちろん、いずれかの時点で練習を不均等にしなければならない。それは明らかだが、今はそこに至っていない」

実際にQBプラトーンを採用しているわけではないかもしれないが、ベリチックHCがそれを否定しなかったという事実は、トレーニングキャンプの今の段階でペイトリオッツのQBたちがどういった位置にいるのかを物語っている。

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