「少しくらいヒットされた方がいい」とQBジョーンズの赤ジャージーを外す考えのジャイアンツHCジャッジ
2020年08月26日(水) 22:39過酷で人々を混乱させるジョー・ジャッジのトレーニングキャンプ練習は、困惑と非難を巻き起こしている。それはこれからも変わらなさそうだ。現地25日(火)、ニューヨーク・ジャイアンツのルーキーヘッドコーチ(HC)はフランチャイズクオーターバック(QB)のダニエル・ジョーンズに非接触を意味する通常の赤ジャージーを着せずに練習させることを考えていると打ち明けた。多少のヒットを受けた方がシーズンの厳しさに備えられるというのが彼の考えのようだ。
ジャージーから名前を取り外し、激しい叱責(しっせき)を浴びせてはミスをした選手やアシスタントコーチに罰としてランニングを命じるといった古風なやり方が疑問視され、批判されているジャッジ。彼は多くの意味で父親世代のフットボールコーチといえる。まるで厳格なおやじの時代に時計を巻き戻したかのようだ。
どうやら今度は、練習でQBにけがをさせないように注意を促す伝統の赤ジャージーを廃止することを思いついたらしい。シーズン開幕戦まで3週間を切り、ジャッジはジョーンズにバトルの試練を受けてほしいと考えている。
「ああ、それについては話していたんだ」と赤ジャージー廃止を考えているのかと聞かれ、ジャッジは記者団に語った。「QBに関しては、いつからどつき回すか、計算しなければならない」
大抵のコーチはQBには細心の注意を払い、練習で一切衝撃を受けないようにするもので、どつき回すといったことは普通ない。
QBが赤ジャージーを着ているのは周りに停止させるためであり、決してぶつかってはならないという警告だ。それだけQBというのはけがのリスクを冒すにはあまりにも重要なポジションなのだ。
長年フットボールの危険な面として知られるのが、事故かどうかにかかわらず、練習でQBにぶつかってしまうことだ。それはQBにとって危険なだけでなく、ディフェンスに熱を入れすぎたそのチームメイトはコーチから徹底的になじられ、オフェンシブラインの面々からきついお仕置きを受けることになる。
そうした歴史があるにもかかわらず、ジャッジはプレシーズンのなかった今年、彼の2年目のQBにシーズンのフィジカルなチャレンジに備えさせるため、赤ジャージーを脱がせようとしている。昨シーズンのジョーンズが13試合で38回サックされたことも関係ないようだ。
「何も彼をロイヤルランブルに放り込もうというのではない」とジャッジはプロレス団体のペイ・パー・ビューイベントをただで宣伝しつつ述べた。「だがどこかの時点で彼のパッドを少しつついてみることになる。コントロールされた環境でね。もしかしたら状況を理解できる若いやつの誰かに当たってもらうかもしれない」
それをいつ頃実行するつもりなのかをジャッジは明らかにしなかったが、けがをして治癒の時間が必要になる可能性があることを考えれば、早ければ早いほどいいだろう。
「私は別に急いで彼をめった打ちにするつもりはない」とジャッジは述べた。「だがどこかで、初戦で受けるかもしれない衝撃に絶えられるよう、彼の体に準備をさせることになるだろう」
急ぐつもりはないとのことだが、これもまたジャッジの初めてのキャンプで発生した不可解な出来事の1つだ。
彼が本当に赤ジャージーを外させるのかどうかは見守る必要がある。もしそうなってジョーンズがけがをしたとしたら――ゴッサムにカオスが訪れるだろう。
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