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2チームが関心も現在はQBキャパニックの周辺に動きなし

2020年08月27日(木) 13:52


コリン・キャパニック【AP Photo/Todd Kirkland】

クオーターバック(QB)コリン・キャパニックがアメリカにおける人種的な不公平と警察による暴力に抗議してから4年、キャパニックには今もNFLでの仕事がない。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイケル・シルバーによれば、今後に進展していきそうな動きもないようだ。

6月に社会制度的な人種差別や警察官の暴行に対する抗議が世界中で広まったのを受け、キャパニックには新たな関心が集まっていた。しかし、その関心も徐々に消え、シルバーは“コリン・キャパニックにとって、長く、暑く、退屈な夏だった”と述べている。

「ここ2カ月は動きがない。いずれもAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)で2チームが彼に目を向けていたものの、私の知る限りそれは2カ月前のことだ」と『Inside Training Camp Live(インサイド・トレーニング・キャンプ)』に出演したシルバーは語った。

「それに、COVID-19(新型コロナウイルス)の検査やプロトコル、日程の遅れによってトライアウトのルールが障壁になっていた可能性がある。しかし、それも変わった。今はただの奇妙な状況だ」

先日に29歳の黒人男性であるジェイコブ・ブレークさんがウィスコンシン州ケノーシャの警察官に撃たれた事件によって再び火がついたのは、2016年8月26日に行われたプレシーズンゲームの国歌演奏中にキャパニックが初めてひざをついて抗議したのと同じ問題だった。なぜ抗議したかを最初にキャパニックに尋ねたのはNFLネットワークのスティーブ・ワイチだった。たとえキャパニックがアメリカにポジティブな変化をうながすために自身のプラットフォームを活用しようとしただけであったとしても、このときから問題はフットボールのスターダムを超え、より大きな議論となった。

2016年シーズンにNFLでプレーしたのを最後に、キャパニックには契約がなくなっている。NFLは今夏、キャパニックの復帰を歓迎する旨を表明。ミネソタ州ミネアポリスの警察の拘束によってジョージ・フロイドさんが死亡した事件をきっかけに抗議活動が大きく広まり、実体のある変化がもたらされることに希望が持たれている。

「昨日デトロイト・ライオンズに起こった状況を見てみよう。恐ろしいジェイコブ・ブレークさんの襲撃を受けて、今日は練習しないと決めた。より大きなことが起こっている。4年前に初めてスティーブ・ワイチがキャパニックに抗議の理由を尋ねたときとは大きく状況が変わり、一つの話題となった。今はキャパニックがNFLのいずれかの陣営にいるという考えが数年前に何人かのオーナーが恐れたのはずっと異なる状況になっていると説明するのは難しくない」とシルバーは言う。

「われわれは社会への変曲点を迎えている。誰もが人種的な不公平について考えている。ライオンズや、それより前に声明を出していた(グリーンベイ)パッカーズや(シカゴ)ベアーズはこのことを、そしてコリン・キャパニックをも、彼らの陣営の日常のものとしている」

キャパニックが自らの抗議について最初に説明してから4年、NBAのミルウォーキー・バックスはブレークさん銃撃事件への抗議としてプレーオフシリーズ1回戦の第5戦をボイコットした。これを受け、NBAは現地26日(水)に予定されていたプレーオフゲーム全ての延期を発表している。2021年1月1日に、キャパニックの最後のNFLスナップから4年が経つ。

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