レイダースのSSエイブラムがテレビカートに激突、選手の安全性に疑問
2020年09月28日(月) 09:57ラスベガス・レイダースのストロングセーフティ(SS)ジョナサン・エイブラムは、ニューオリンズ・セインツに勝利したマンデーナイトフットボールでテレビカートに激突し、肩鎖(けんさ)関節捻挫グレード2と鎖骨の一部損傷を負って内出血を起こした。全国放送されたこのアクシデントは、フィールドの間近に機材が設置される中での選手の安全性に関する疑問を提起した。
衝突の後、息がつまったエイブラムはしばらく仰向けで横たわった。情報筋によると、レントゲン検査では重度の骨折の可能性は除外されたという。しかし、現地22日(火)に行われた追加検査によってダメージの度合いが明らかになった。それにもかかわらず、エイブラムは試合に復帰して戦い遂げ、先週の練習にはフル参加していた。
NFLと月曜日の試合を放映した『ESPN』の広報担当者はこの件に関するコメントを控えている。しかしながら、情報筋によれば、リーグと『ESPN』はここ数日連絡を取り合っており、サイドラインのどこにテレビカートを設置するかという点に関してリーグの放映パートナーらと論議を重ねているようだ。特に今シーズンは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を取り巻く独特なルールが敷かれ、サイドラインに入れる人の数を制限している状況にある。また、この試合はレイダースの新しいホームであるアレジアント・スタジアムでの初試合でもあり、試合後に手順を見直すのは普通のことだ。
クレーンの上にカメラとオペレーターが取り付けられたカートは白線のサイドランの端から数メートル離れた黄色い点線の奥に設置されており、この黄色い点線が事実上こういった機材のバリアとして機能している。
第1クオーターの残り4分53秒、レイダース側4ヤードラインからのプレーの時点では、カートのフロントの車輪がゴールラインをわずかに越していた。セインツのランニングバック(RB)アルビン・カマーラは、エイブラムを含む2人のレイダース選手にマークされながらフィールドの外へと駆け出した。エイブラムは腕を使ってカマーラをタックルしようとしたが、その甲斐なく地面に倒れ、カートの足元に自ら突っ込んだ。
通常のシーズンであればチアリーダーや写真記者などがいることから、テレビカートがゴールラインの方にこれほど突出することはない。エイブラムはカートではなくこれらの第3者に突っ込んだ可能性もある。
第2週に行われた他の試合の映像を調べてみると、カートはこれと似たところや、ゴールラインのもっと近くにあるケースもあり、プレーフィールドからの距離については同じようなケースが多かった。
エイブラムの代理人であるトレイ・ロビンソンはNFLに対し、カートを移動しないのであれば、フィールドの近くに設置されるカートには完全に、そして十分なパッドを施すべきだと要求している。
ロビンソンは『NFL.com』に、「コロナウイルス感染症規制によって今シーズンはサイドラインに立つ人が少ないため、選手はこれらのカートに何度もぶつかるだろう」と話した。
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