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混乱の内に終わったバッカニアーズとQBブレイディの最終ドライブ

2020年10月09日(金) 16:27

タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Kamil Krzaczynski】

残り1分13秒で1点ビハインドになっている状態で試合を勝利で締めくくるために、タンパベイ・バッカニアーズにはクオーターバック(QB)トム・ブレイディが“カムバックキッド”になる必要があった。

しかし、待っていたのは祝祭ではなく、混乱に満ちた結末だった。

自陣41ヤードラインから残り6ヤードとなっていたブレイディは、ドライブを途切れさせないようにすべく第4ダウンでタイトエンド(TE)キャメロン・ブレイトにボールを投じた。このパスがインコンプリートに終わった後、ブレイディは周囲を見回して4本の指を立てて見せる。バッカニアーズにはまだあと1つダウンが残っていると考えているかのようだった。これで攻撃権が移り、ベアーズは20対19で勝利を確保。後に残されたのはブレイディが状況を把握していたのかという疑問だ。

「大量に返さなきゃならないと分かっていたから、ヤードを稼ぐことを考えていた。うまくいかなかった。僕たちには素晴らしいチャンスがあった。必要なときに、うまくやることができなかっただけさ」

そう答えたブレイディは、改めて第何ダウンが分かっていたか問われた際、それに応じる代わりに最後のプレーで取ったアプローチの失敗を認めている。

「あなたは時間と戦っているのかな。僕らには大量に返す必要があると分かっていたから、どれだけいけるかより、ファーストダウンのことをもっと考えておくべきだったんだろうね」

ヘッドコーチ(HC)ブルース・エリアンスの方は同じ質問に対してもう少し率直だった。質問を受けたエリアンスHCはぶっきらぼうに「ああ、彼は分かっていた。分かっていたよ」と答えている。

ブレイディが重要な局面で状況を把握していなかったという考えは、ほぼ無礼にすら聞こえる。43歳のブレイディはキャリアを通じて何度も、落ち着き、冷静さを保ち、試合で最もプレッシャーの高まる瞬間の中でもクールさを保つ能力を示してきたのだ。

ベアーズと対戦したブレイディは、ラインバッカー(LB)カリル・マックやベアーズのパスラッシュ等、さまざまな種類のプレッシャーにさらされていた。バッカニアーズのオフェンシブラインは試合を通してブリッツを封じ込めるのに苦戦し、その中でいくつかの手痛いペナルティを科されている。一時にはブレイディがサイドラインでグループに厳しい言葉をかけている。試合後、これらのミスがチームの破滅の元であることが証明されたとブレイディは語っていた。

「ターンオーバーやペナルティ、フィールドポジション、そういったものすべてがポイントになる。サードダウンでそういうことがあれば、相手よりも多くの得点を取ろうと頑張るものだ。ターンオーバーはその中で大きな部分を占めている。ペナルティが占める部分も大きい。第3ダウンで長いヤードが残っていれば、ポゼッションを失ってしまうからね。ダウンやディスタンスで優勢なところでクリーンなゲームをし、リズムと勢いに乗る必要があり、僕らがその部分でもっとうまくやらなきゃならないのは明らかだ」

エラーがあったとしても――ペナルティ11回で109ヤード――バッカニアーズには1点をもぎ取るチャンスがあった。キャリア47回目のウイニングドライブでシカゴを去るのではなく、ブレイディは10日後に控えるグリーンベイ・パッカーズとの1戦に向けて答えを探し続けるだろう。

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