惜敗続くも「いつか実を結ぶ」とチャージャーズHCリン
2020年11月09日(月) 16:32現地8日(日)、ロサンゼルス・チャージャーズのクオーターバック(QB)ジャスティン・ハーバートは、劇的なドライブを決めるまで残り6秒でわずか4ヤードまで迫っていた。だが、終わってみれば敗者となっていたのだ。
チャージャーズはSoFiスタジアムで対戦したラスベガス・レイダースに31対26の悔しい負けを喫した。試合終盤に2回続けてタッチダウンパスがインコンプリートに終わり、1回目はリアルタイムの裁定でインコンプリートだったものの、2回目は動画のリプレーによって勝利を決めるはずのタッチダウンが覆っている。ゴールラインまであとわずかの位置で第1ダウンを獲得し、チャージャーズが勝負をひっくり返せる形勢となる中、攻撃コーディネーター(OC)のシェイン・スタイケンはワイドレシーバー(WR)マイク・ウィリアムスとタイトエンド(TE)ドナルド・パーハムを起用して一か八かのプレーを2度指示したものの、最終的にはタッチダウンを決められず、すでに負けが積み上がっているチャージャーズにまたしても黒星がついた。
チャージャーズのヘッドコーチ(HC)アンソニー・リンは「勝てるチャンスが2回もあり、どちらも手応えを感じていた」と試合後に話している。「でも話した通り、結局は決められなかった」
失敗に終わった2回のアテンプトはシンプルな形で起きている。1回目のパスでは着地と共にウィリアムスの手中にボールはあったものの、レイダースのコーナーバック(CB)アイザイア・ジョンソンによって叩き落とされ、キャッチはインコンプリートとなった。そして2回目はまたしてもジョンソンが1対1でカバーしていたパーハムに投げられたが、エンドゾーン内で着地した時点でボールのコントロールを失っていた。リプレーによってボールが地面についたのはパーハムがすでにコントロールを失った後だったことが確認され、タッチダウンは無効となった。
「正しい判定だったかは分からない」とリンHCは適用されたルールについて話した。「気に入らなかったのは確かだ」
これらのパスは、4分37秒の間に15回のプレーで81ヤードを稼いだドライブを締めくくるためのものだった。ハーバートは終盤で巧みにチャージャーズ(2勝6敗)をフィールドの奥へと導き、すでにこのクオーターで18回中14回のパスを成功させて119ヤードを稼いで、タッチダウンも1回決めていた。試合終了の間際にボールを手にしたルーキーのハーバートは、あと一歩のところでチームに勝利をもたらすことができなかった。
リンHCは「私の中であのタッチダウンが決まって得点を挙げることに疑いはなかった」と話している。「ハーバートは優秀なプレーメイカーで、まったく動じていなかった」
しかしながら、ハーバートは決定的なタッチダウンパスを決められず、これまでと全く同じようにチャージャーズは1ポゼッション差で6回目の敗戦を記録することになった。
チームが2019年にも1ポゼッション差で大半の試合を落としてきたのを見ているチャージャーズのファンにとって、いやというほど身に覚えのある展開だろう。
リンHCは日曜日の敗戦について「選手たちは1度も諦めなかった。試合を通して戦い続けたと思う。試合に勝つために全力を尽くしたが、結果的にそれを果たすことはできなかった。今はそのことにうんざりしている」と振り返った。
敗戦はそのチームの忍耐力と決意の強さが試されるものだ。そして現時点でチャージャーズにはそれがあとどれくらい残っているのだろうかと考えたくなる。リンHCは1ポゼッション差での6回の負けはどれも「腹に蹴りを食らったようだ」と表現し、「私にとっては6回分余計だった」と話している。
シーズンがまだ残り半分ある中で、有望なQBを擁するチャージャーズがこのまま終わるはずはない。とはいえ、日曜日にリプレーによる判定が出た瞬間にリンHCは両手で頭を抱えており、その姿は今回敗れたことが過去5回の敗北と同じくらい、あるいはそれ以上に痛手となったことを物語っている。
「選手たちにはとにかく戦い続けるよう話した」とリンHCは述べている。「彼らは私が指示した通りに動いてくれた。4クオーターを全力で戦い、打たれ強く、立ち直りも早かった。お互いのためにプレーしているのが伝わってきた。そいうことを続けていけば、いつか実を結ぶことを私は知っている」
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