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ブロンコスHCファンジオ、プロトコルを順守しなかったQBたちに“落胆”

2020年11月30日(月) 15:30

デンバー・ブロンコスのビック・ファンジオ【AP Photo/Justin Edmonds】

現地29日(日)に大敗を喫したデンバー・ブロンコスのヘッドコーチ(HC)ビック・ファンジオは激しい落胆に見舞われていた。その対象はチームでもなく、仮のクオーターバック(QB)を務めたケンダル・ヒントンでもない。ファンジオが不満を抱えていたのは、このスポーツで最も重要なポジションを本職とする3人の選手だった。

ブロンコスは先発QBドリュー・ロックとバックアップQBのブレット・リピン、ブレイク・ボートルスなしでシーズン第12週の試合を戦った。この3人は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性だったのを受けてリザーブ/COVID-19リストに置かれたジェフ・ドリスケルと濃厚接触があったと断定されていた。

ロックは試合前に、自らの除外につながった行動について謝罪。ファンジオHCは試合が終わった後で、QBルームのメンバーすべてが失われる事態は避けることが可能だったと再び話している。

「私は2つのレベルで落胆した。一つはうちのQBたちがわれわれをこのポジションに追い込んだこと、そして、一つはうちのQBたちがリーグをここに位置付けたことだ。彼らにはこのチームのリーダーであることを期待している。だからこそ、がっかりした」とファンジオHCは嘆いた。

ファンジオHCによれば、ブロンコスQBたちはオフだった火曜日にチーム施設に集まり、映像分析を行っていた。心構えは立派だったが、やり方がまずかった。

「彼らはマスク着用という部分で緩んでいたのではないか。そして、ディスタンシングの部分緩んでいたのではないか」とファンジオHCは言う。

9月にサイドラインでマスクを着用していなかったことで罰金を受けたファンジオHCは、自分自身をも糾弾した。

「彼らが独自でやっているときに、私はプロトコルの重要性を彼らに十分に納得させられていなかった。それは私の責任だ」とファンジオHCは認めている。

土曜日の練習後まで、ブロンコスは本来のQBなしで戦わなければならないことを把握していなかった。前代未聞の事態に、オフェンシブスタッフは緊急でヒントンを中心としたラン偏重のパッケージを作り上げている。募金活動の支援を生業としていたワイドレシーバー(WR)のヒントンは、1カ月のうちに練習生から昇格し、カレッジキャリア開始時のポジションであるQBにスイッチして先発にまで至った。

チームによれば、ヒントンは「まぎれもなく俺の人生で一番大変な24時間だった。でも、最初に連絡をもらったときは純粋に興奮したよ。当然、神経過敏だったり、疑念があったりもしたけれど、チームが励ましてくれて、みんながずっと俺が沈まないようにしてくれた」と話している。

「試合のスピードがどんなものかも分かっていないのは承知の上だった。自分たちのコンセプトにはなじみがあったけれど、QBとしてはかなり違っていた。だから、確実に厳しい状況になることは、俺たちには分かっていたんだ。それが、俺が引き受けることを望んだ挑戦だった」

ヒントンはキックオフ前にQBとして十分な練習ができておらず、そのパフォーマンスはおよそ予想の通りだった。ヒントンは9回のアテンプト中1回のみ成功させ、13ヤードを記録する一方でインターセプト2回を喫している。

「彼は自分にできるすべてをやった」とファンジオHCはヒントンについて述べている。

「彼はエキサイトしていた。われわれも彼にエキサイトしていた。チームメイトたちも彼にエキサイトしていた。だが、求められるものはあまりに大きかった」

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