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QBブレイディとバッカニアーズは成功に“近づいている”とエリアンスHC

2020年12月01日(火) 15:04

タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Corey Sipkin】

最近のタンパベイ・バッカニアーズはすべてが順調とは言えない。

クオーターバック(QB)のトム・ブレイディはこれまでの12試合中5試合で負けており、1シーズンの戦績としては2009年以来の不振となる。さらに今季の被インターセプト数は2006年以来の最多数を記録。バッカニアーズのヘッドコーチ(HC)ブルース・エリアンスは包み隠さずブレイディを批判しており、チームが苦戦する中でブレイディは空いているターゲットを見つけられていないと話している。

とはいえ、『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイケル・シルバーによるとこれは内部抗争ではないという。現地30日(月)に『The Aftermath(ジ・アフターマス)』に出演したシルバーは、バッカニアーズの状況を理解する上で興味深い内容を次のように話した。

「エリアンスHCはこれまでに非常に有能で豊富な知識を持ち、試合をコントロールできるQBと共に仕事をしてきた。ペイトン・マニングやベン・ロスリスバーガーといったQBたちだ。彼はそのような選手に慣れている。エリアンスHCとブレイディの仲が悪いように描きたがる人たちがいるけれど、エリアンスHCが私に言った言葉には、決してブレイディに対するネガティブな感情は含まれていなかった。エリアンスHCは“週を追うごとに彼は馴染んできている。われわれは近づいている”と言った。しっかりとブレイディを支えているように思えた」

「エリアンスHCはカンザスシティ・チーフスに僅差で負けたことには落胆していなかった。ボールを取り返していたなら勝てたかもしれない試合だ」

チーフスに負けた試合でブレイディ率いるオフェンス陣は軌道に乗り、自分たちのリズムをつかむまでに時間がかかり過ぎた。サードダウンコンバージョンは9回中3回となっており、2度もターンオーバーを喫している(いずれもブレイディがインターセプトされたもの)。ワイドレシーバー(WR)マイク・エバンスを狙ったパスは9回中3回しか通らなかった。そのうちの2回はタッチダウンパスとなっているが、この日一番多くのキャッチを達成したのはタイトエンド(TE)ロブ・グロンコウスキーだ。

強力なチースフのオフェンスが相手とあれば、いかなる不調も負け試合へとつながるのが常だが、この日曜日も例外ではなかった。AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区でニューイングランド・ペイトリオッツを大成功へと導いた頃のように、ブレイディは必ずしも今NFC南地区で順風満帆とは言えない。しかしながら、月曜日にシルバーが指摘したように、ポストシーズンが近づくに連れてブレイディとエリアンスHCは――少なくとも公の場で見られる限りは――うまくいきそうだ。

シルバーは「私の言うことを信じて欲しいのだが、トム・ブレイディだったら正直で時には公の場で無遠慮なことを言うくらいのHCの方がいいんだ。NFL史上最高の20年間を築き上げてきた唯一の選手であったにもかかわらず、裏では自分のことを必ずしも評価していない以前のHCよりはましだ」と話している。

ペイトリオッツでのブレイディのキャリアは、相手チームの元僚友にパスをインターセプトされ、そのままタッチダウンを決められるという形で祝福されることなく2019年に幕を閉じた。それ以来、新たな地で成功を模索する旅を続けている。上述の数字に表れている通りそれは決して楽な道のりではないが、と同時に今季にブレイディが12試合で記録している28回のパッシングタッチダウンは2016年以来の好成績となっている。

かつてとの違いは、その時点で被インターセプトが2回だったこと、そして違う色のユニフォームを着ていたことだ。

課題をクリアするのにブレイディに残された試合はあと4つ。バイウィークの間には、プレーオフに向けた最後の1カ月を戦い抜くために休み、立ち直り、そして再び勢いを手に入れなければならない。彼の成功のために公私の両場面で叱咤激励してきたコーチを伴う43歳のブレイディに、魔法が残っているかどうかはこれから要注目だ。

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