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思いもよらぬ急展開を経験したブロンコス元練習生のWRヒントン

2020年12月02日(水) 12:23

デンバー・ブロンコスのケンダル・ヒントン【AP Photo/Jack Dempsey】

11月の初めに職を探していたケンダル・ヒントンは、月が終わる頃には2度も昇格していた。

これは間違いなくビジネス特化型のSNS『LinkedIn(リンクトイン)』上で感動的な投稿になる。だがデンバー・ブロンコスのルーキーであるヒントンが自分のページを更新するまで、彼の384人のコネクションは彼が55年ぶりにクオーターバック(QB)以外でNFLの先発QBを務めた選手だという事実を知ることはない。

彼らはヒントンが今も医療関係の営業職を志望していると思っているだろう。

「昨日の試合でケンダル・ヒントンがブロンコスで先発する可能性がどれくらいあったかって? このLinkedInのページを見れば分かる。“NFLの現役フリーエージェント。医療業界の営業でキャリアをスタートさせようとしている”、うんぬん・・・」

ここにつづられているプロフィールからヒントンのキャリアが辿った急展開は衝撃的だ。『Yahoo Sports(ヤフー・スポーツ)』のヘンリー・ブッシュネルによると、ヒントンは本気でフットボールの後は医療業界の営業の道に進もうとしていたという。ブロンコスは11月4日に練習生としてヒントンと契約した。

そのわずか3週間後、ブロンコスのQBドリュー・ロックとブレット・リピン、ブレイク・ボートルスらが新型コロナウイルス(COVID-19)の感染を疑われ、アクティブロース―ターから外される。そしてチームは緊急措置としてウェイク・フォレスト大学出身のワイドレシーバー(WR)であるヒントンを先発QBに昇格させた。

ヒントンは試合に備えるまで“2時間、3時間、4時間の練習枠”しか取れなかったとブロンコスのヘッドコーチ(HC)ビック・ファンジオは話している。その限られた時間とニューオーリンズ・セインツの群を抜いたディフェンスに加えて、ヒントンが直面していたのはこのようなことだった。

「ケンダル・ヒントンにはリスペクトしかない」

「ケンダル・ヒントンは
・先月まで営業マンだった
・この2年間でタックルされたことは1度もない
・ワイドレシーバー(WR)の練習生としてブロンコスに所属していた
・QBとしての練習はゼロ
・今日はじめてNFLの試合でプレーした」

「“俺の人生で最も目まぐるしい24時間だった。知らせを受けた時は純粋に興奮した。チームが励ましてくれたことが大きな支えになった”」

医療業界の営業職は仕事にプレッシャーを感じているだろうが、彼らは136kgのラインマンに潰されることがあるだろうか? たった1日でまったく新しい仕事を覚えなければならないだろうか?

プロフィールが更新されるかどうかにかかわらず、リンクトインを使っているリクルーターは今すぐヒントンとつながるべきだ。どんな会社でも、ヒントンのようなチームを第一に考えられるプレーヤーに給料を払うことができればラッキーといえる。

【R】