ベンガルス戦での乱闘を反省するドルフィンズHCフローレス
2020年12月07日(月) 15:02現地6日(日)にマイアミ・ドルフィンズが19対7でシンシナティ・ベンガルスを下した試合で感情的な乱闘騒ぎが起きている。それはドルフィンズのチームが、そしてヘッドコーチ(HC)が、困難な状況になってもチームが団結することにどれほどの情熱を持っているかを実証する形となった。
試合終盤にドルフィンズのキックリターナー(KR)ジャキーム・グラントが、ベンガルスのワイドレシーバー(WR)マイケル・トーマスからこの日2回目となる不用意なヒットを受けた。その後ドルフィンズのブライアン・フローレスHCは真っ先にフィールドに出て抗議し、サイドラインにいた選手全員がけんかに参加する事態となる。
言葉を濁すことのないフローレスHCは、試合後にその時の感情と行動を説明している。
『South Florida Sun Sentinel(南フロリダ・サン・センティネル)』紙のサフィド・ディーンが伝えたところによると、フローレスHCは「チームが傷つかないように自分の仕事をもっとしっかりやらないといけない。あの日は感情に身を任せてしまった」と話したという。「自分にとって大切な人が2度もあのようにヒットされたんだ。だが自制心を持たなければならない。チームとしてももっと冷静でなければならない」
グラントがフィールドに横たわっている間、両チームのサイドラインから選手やコーチがフィールドになだれ込み、現場は一瞬にして荒れた。明らかに取り乱したフローレスHCがスタッフに拘束されながらも、マスク越しに審判に文句を言っている姿が見られた。
フローレスHCは「この組織の人たちは私にとってとても大切な存在だ。私は全員を守らなければならない」と『The Athletic(ジ・アスレチック)』のジョシュ・トレンティーノに説明している。
トーマスには1回目のパントでグラントへのヒットが不必要なラフネスと判断されフラッグを投げられており、2回目のヒットはキックキャッチインターフェアランスをコールされた。ドルフィンズのWRデバンテ・パーカーとWRマック・ホリンズ、そしてセーフティ(S)のショーン・ウイリアムスが乱闘に参加したことで退場となっている。一方のトーマスは退場を命ぜられなかった。
混乱が収拾されたところでダウンは再度行われ、パントはドルフィンズのダウンへとつながる。この騒動にあおられてか、マイアミのディフェンス陣は相手にさらに2回のパントを強い、試合を決定づけるインターセプトを最後にねじ込む。スペシャルチームはフィールドゴールで得点を追加し、オフェンス陣は試合時間をうまくコントロールした結果、ドルフィンズは12点差の勝利を収めた。
リーグがこの騒動にどう対応するかは今後明らかになるが、罰金が科される可能性は高い。さしあたりドルフィンズはこの怒りを勝利へのエネルギー源に変えて第14週の試合に臨むことだろう。
ドルフィンズのクオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアは「フローレスHCの人柄を現す一件だった。グラントが2度もヒットされたんだ」と『The Athletic(ジ・アスレチック)』に話している。「フローレスHCはチームのために立ち上がってくれた。そして彼だけじゃない。チームの絆がどれだけ強いかの証だ」
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