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TDキャッチに気づかなかったチーフスWRヒル

2020年12月08日(火) 14:13


カンザスシティ・チーフスのタイリーク・ヒル【AP Photo/Charlie Riedel】

カンザスシティ・チーフスのワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルがあり得ないタッチダウンパスをキャッチした。

現地6日(日)に行われたチーフス対デンバー・ブロンコスの試合中、第2クオーター残り11分、3対3の場面でエンドゾーンに向かって疾走するヒルに、クオーターバック(QB)パトリック・マホームズは自陣50ヤードラインの手前から大きなアーチを描く見事なパスを放った。

だが早すぎたジャンプはタイミングが合わず、ヒルが倒れ込むとともにボールは彼の手から跳ね返った。

そしてボールは後に続く。

ヒルの手を離れたボールは後ろから来たブロンコスのコーナーバック(CB)A.J.ボウイのヘルメットに当たり、再び空中へ。ボールは回転しながらヒルの後を追うように落下し、ヘルメットをかすめてヒルの腕のくぼみにすっぽりとはまったのだ。

あまりにも一瞬のことだったため、プレーはパスインコンプリートに終わったかのように見えた。ヒル本人もキャッチできていたとは思っていない。スローモーションのリプレーを確認して、ようやくこのあり得ないキャッチが成功していたことに全員が気づいた。

だがまさにその瞬間、チースフのパンター(P)トミー・タウンスエンドがボールを敵陣へと蹴り飛ばしていたのだ。ヘッドコーチ(HC)のアンディ・リードはチャレンジする機会を逃した。

「あれは私の責任だ」とリードHCは『Kansas City Star(カンザスシティ・スター)』に話している。「ボールをキャッチしたことに気づいていないレシーバーは初めてだ。ヒルはキャッチしていないと言っていたんだ」

「リプレーを確認するまでもう少し待てば良かった。数年前からやっていることだが、このような状況になったことはない。初めての経験だよ」

このタッチダウンを逃したことにより試合は接戦が続き、10対9でチーフスが後を追う形でハーフタイムを迎える。最終的にはチーフスが22対16で勝利を収めた。

しかしながら、この試合で最も爆発的なプレーは得点にならないまま終わっている。

チームがリプレーを確認した時のことを「見た時にはすでにプレーが始まっていた。ボールをパントしている瞬間だった」とリードHCは話した。「次のプレーを急いでいたためボールをキックする前にリプレーをちゃんと見る時間がなかった。10秒と残されていない状況でのキックだった。普通ならそのまま進める場面だ」

「戻ってきたヒルとも確認している。レシーバーがキャッチできていたかは普通分かるものだ。特にヒルは。フットボールを手にしていたことに彼が誰よりも驚いていた」

勝利を手にしたチーフスにとって逃したこのタッチダウンはおまけのようなものだ。11勝1敗のチースフはすでに連覇に向けての道のりを歩み始めている。

「レシーバーとしてうますぎて、最近はタッチダウンパスをキャッチしたことにも気づかないのか」とマホームズはヒルを茶化した。

【R】