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「ここが好きだけど決めるのは俺じゃない」とジェッツQBダーノルド

2020年12月15日(火) 12:49


ニューヨーク・ジェッツのサム・ダーノルド【AP Photo/Noah K. Murray】

今季3試合を残して、クオーターバック(QB)サム・ダーノルドのニューヨーク・ジェッツにおける未来は宙に浮いた状態だ。

ジェッツは0勝13敗にとどまり、前戦ではシアトル・シーホークスに40対3での敗北を喫している。活力のないジェッツの攻撃陣の中で、ダーノルドはパス26回中14回成功、132ヤードをマークした。

来るドラフトでジェッツは1巡目と2巡目の1位指名権を手にすることになりそうだ。そうなれば、この年のトップクラスのQBを選択することが可能になる。それがクレムゾン大学のトレバー・ローレンスなのか、オハイオ州立大学のジャスティン・フィールズなのか、それとも別の誰かなのかは分からない。しかし、チームが新たなQBを見つかる試みに乗り出そうとしている様子の今、ダーノルドの道は断たれることになりそうだ。もちろん、ダーノルドはその可能性をうれしく思っていない。

「俺はここが好きなんだ。ここの人が好きだし、ここに住むのが好き。いつも言ってきたけど、俺は生涯ジェッツでありたい。でも、決断するのは俺じゃない」とダーノルドは話している。

その決断を下すのは、ジェッツを勝者に戻すという難しいタスクを担うジェネラルマネジャー(GM)のジョー・ダグラスだ。ジェッツが2018年ドラフトの全体3位でダーノルドを獲得した際、ダグラスはチームにいなかった。仮にダグラスがチームにいたとしても、同じ選択をしていただろう。クリーブランド・ブラウンズが全体1位でベイカー・メイフィールドを指名して多くの人々を驚かせた後、ダーノルドは他のQBの中でベストの選択肢として見られていた。そして、ジェッツは喜んでダーノルドを指名した。

その期待に応えられなかったとは言え、責任はダーノルド一人で背負いきれるものではない。ダーノルドのキャリアにおいて、ジェッツはオフェンシブラインを2度立て直そうとしてきた。元GMのマイク・マッカグナンが解雇され、ダグラスがその後継者に就任。さらに、2人のヘッドコーチ(HC)――2018年のトッド・ボウルズと、それ以降でHCを務めるアダム・ゲイズ――がダーノルドのプロとしての3シーズンで起用されてきた。

その後は凡庸な時期が続いた。ダーノルドは負傷に見舞われ、周囲のチームメイトたちは変わっていった。健康問題と相次ぐ組織的な変更によって、堅実なフットボールをプレーすることはできなかった。そして、次の大きな変化では、自らもその対象に含まれるかもしれない。

2021年にはまったく違う道を歩むことになるかもしれないが、そのときまで、ダーノルドには最後にはやり遂げるしかない。

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