現地13日（日）にピッツバーグ・スティーラーズと対戦したバッファロー・ビルズのオフェンスは、前半で見る者の眠気を誘った。ところがクオーターバック（QB）ジョシュ・アレンがワイドレシーバー（WR）ステフォン・ディッグスにパスを連発し始めると試合は一変する。

スターWRのディッグスはまどろむオフェンスを叩き起こし、ビルズは26対15でスティーラーズを下した。

アレンは後半について「空いている仲間にパスをつなげられるようになったんだ。彼らはオープンになるのにいい仕事をしてくれた」とチームの公式サイトにコメントしている。「でも見てもらった通り、ディフェンスを4人背負ったディッグスに通せるようになってから流れが変わった。マッチアップが俺たちにとって有利になってきて、特に1人で4人も引きつけてくれたら文句なしだ。ディッグスはリーグの中で最高のプレーヤーだよ。少なくともトップクラスなのは間違いない。俺は絶大な信頼を寄せている」

前半では3得点しか挙げられず3回もスリーアンドアウトに終わったオフェンスは、第3クオーター開始直後からアレンがディッグスにパスを繰り返す。ビルズは2回のドライブで立て続けにタッチダウンを決め、後半の出だしからいきなりスティーラーズを大きく引き離した。

ディッグスは前半で6回ターゲットになり3回のキャッチ成功で38ヤードしか稼げていなかったが、後半は8回のターゲットのうち7回のパスをキャッチし、92ヤードとタッチダウンを1回マークした。第3クオーターだけでターゲットとなった6回全てのキャッチに成功し、83ヤードとタッチダウン1回を達成している。

アレンは「彼はチームが勝つためにできる限りのことをしたいと思っているだけだ。本物のコンペティターであり、お互い似たマインドセットを持っている。ディッグスのことは大好きだ」と話した。「フィールド上では全力で駆け回ってくれる。彼がトレードでビルズに来てくれて本当に良かった」

ディッグスは日曜日の夜に10回のキャッチを成功させたことにより、今シーズンで通算100回のキャッチとなり、稼いだ1,167ヤードはキャリアハイを更新した。ビルズ史上、単一シーズンで最も多くのレシービングヤードを記録した選手になるためには、残る3試合で202レシービングヤードを稼ぎ、1998年に1,368ヤードを記録したWRエリック・モールズを超えなければならない。

さらにディッグスは100回のキャッチでNFLのトップに立ち、この時点でモールズが2002年に残した単一シーズンの記録に並ぶ。そして1つのシーズンでビルズの選手がキャッチ数でリーグ1位になるのはディッグスが初めてとなる。

プライムタイムで試合に変化をもたらす選手として頼れることを証明したディッグスは、リーグ屈指のエリートレシーバーと称されるべきだ。

ビルズのオフェンシブタックル（OT）ディオン・ドーキンズは「ディッグスはあまりにもスペシャルな選手だから、見ていると俺のキャプテンの“C” を破り取って彼の胸につけてやりたくなる」と述べた。「ディッグスはかっこいい男だよ。こつこつと努力して周りの選手をしのぎながら才能を放ち続けている。自分が一番だってことを証明するために。ステフォン・ディッグスは意志の強いやつだ。誰もがチームメイトであることを誇りに思い、みんな彼のことが大好きだ。一緒にプレーできてうれしい」

ディッグスがミネソタ・バイキングスとのトレードでビルズに移ったのは、関係者全員にとってうまくいった珍しいケースだ。バイキングスも1巡目指名権でルーキーのWRジャスティン・ジェファーソンを獲得できたことに満足している。そしてディッグスがプレーオフ進出に向けたチームを率いていることは、ビルズにとってこれ以上の喜びはないだろう。

2015年にWRブランドン・マーシャルがニューヨーク・ジェッツで記録した109回以来、ディッグスは初めて新しいチームとの初シーズンで100回以上のキャッチを記録した選手となる。ディッグスが残り3試合で19回キャッチを達成できれば、2012年にマーシャルがシカゴ・ベアーズで残した118回の記録を更新し、新しいチームとの初シーズンで最多キャッチ数を記録するWRとなる。新しいチームでの最初の13試合で100以上のキャッチをマークしたのはNFL史上でディッグスと2012年のマーシャルしかいない。

ディッグスの活躍によってビルズは1995年以来となるAFC（アメリカン・フットボール・カンファレンス）東地区優勝に一歩近づいただけでなく、11年間続いたニューイングランド・ペイトリオッツの帝国時代に終止符を打った。今回の勝利はビルズを10勝3敗に押し上げ、6勝7敗のペイトリオッツをディビジョンの優勝争いから正式に退けた。

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