プレーオフ脱落もテキサンズQBワトソンはプレーし続けるとクレネルHC
2020年12月18日(金) 22:54
4勝のヒューストン・テキサンズは先週末にプレーオフから正式に脱落し、残りの3週間を戦う目標がほとんどない。
1巡目どころか2巡目の指名権もない状況では、負けることさえ2021年のテキサンズの見通しを良くするものにならない。
これからの試合に意義がないとなれば、スタークオーターバック(QB)のデショーン・ワトソンを温存し、けがをしないように残りの3週間はプレーさせないことが最も賢明な手段ではないかという提案が持ち上がっている。
しかしながら、暫定的にヘッドコーチ(HC)を務めるロメオ・クレネルにはワトソンを控えさせるという選択肢はないようだ。
クレネルHCは「その質問は聞かれた。私の考えは、われわれはまだゲームに参加しているということだ。勝つために試合をする。われわれのシーズンは終わったわけではない」と記者団に述べている。
「ワトソンをプレーさせないということは、3試合残っている中で他の選手もプレーさせず、全員に荷造りをさせてそれぞれの地元に送り返すということだが? われわれはNFLで戦っているのであり、プレーをするに当たって従わなければならないルールがある。もしチームをたたんで、残りの試合を放棄したら、かなりの額の罰金が発生するはずだ。だからわれわれは勝つことを目標に残りの試合も戦う」
このことに関して、ワトソンも最後の数週間に参加しないという考えは毛頭ないようだ。NFL屈指の選手にとって、己を磨くチャンスは毎年レギュラーシーズン中に16回しかなく、1つも無駄にはできない。
ワトソンは「ファンや周りの人たちがすでに未来に目を向けているのは分かっている。だけど、俺はまだ今を生きているんだ」と話している。「このシーズンをいい形で終わらせたい。QBとして、選手として、チームメイトとして成長し続けるためには、できるだけ多くの試合を経験しなければならない。繰り返しになるけど、とにかくいい形でこのシーズンを終えたいんだ。もちろん、安全は常に最優先にするべきだけど、同時に残りの3試合を戦いたい気持ちも強い」
シーズン中にスタッフ陣営が次々と去っていく中、ワトソンはキャリアハイの記録に向けて順調なパフォーマンスを見せており、現時点でパス成功率68.9%、1試合あたり平均289.3パスヤード、タッチダウン/インターセプト比率25対6、そしてパサーレーティングは109.4となっている。
だが、この輝かしい記録の代償は大きい。ワトソンは今季に39回サックされており、NFLで3番目に多い。そしてこの4年間で受けた合計164回のサックは1970年以降、最初の51試合で受けたサック数としては4番目に多い。
現地20日(日)には2週間前に5回のサックを受けたインディアナポリス・コルツと対戦する。コルツのディフェンスはワトソンを通算21回サックしており、対戦相手の中で最多を数える。
振るわないシーズンにもかかわらず、続投を強く希望するワトソンの姿勢はコーチ陣にとって救いだとクレネルHCは次のように話している。
「その姿勢には大きな意味がある。彼のようにリーダーの役割を担う選手が戦いたいという気持ちを持っていてくれれば、他の選手たちも後に続く。だからワトソンの試合に出たい、チームに貢献したい、組織の手助けになりたいという姿勢を称賛する。本来あるべき姿だ。コンペティターであれば誰だって試合に出たい。逆にコンペティターでないのなら、進んでベンチに下げられ、試合が終わるのを眺めているだろう。あるいは、一部の人たちが提案したように、試合にはまったく出場させず、シーズンを終えるのをただ待つことだろう。われわれはそのようなとはしない。このチームは最後までベストを尽くして戦う」
テキサンズにとっては悲惨なシーズンとなった。ワトソンがいなければどれだけひどいことになっていたかは想像もしたくない。
2020年シーズンの幕切れまでテキサンズはコルツ、シンシナティ・ベンガルズ、テネシー・タイタンズとの試合を予定している。そしてワトソンは先発から控え選手まで、チームメイト全員と共に最後まで戦い抜くつもりだ。
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