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全体6位指名のRBジェンティだけに頼るつもりはないとレイダースHCキャロル

2025年06月13日(金) 13:22

ラスベガス・レイダースのアシュトン・ジェンティ【AP Photo/John Locher】

タックルを振り切り、フィールドを縦横無尽に駆け回るゲームチェンジャーとして知られる、ボイジー州立大出身のランニングバック(RB)アシュトン・ジェンティが、全体6位で指名されたことは驚きではなかった。

そんな逸材を擁しながらも、ラスベガス・レイダースが複数のランニングバックを起用する方針を取る可能性があると聞けば、意外に思うかもしれない。とはいえ、これはヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルが長年貫いてきたスタイルでもある。

「複数の選手を起用するのが好きなんだ」と、キャロルHCは現地13日(木)に参加必須のミニキャンプを終えた後に記者団に語った。

「一人の選手に頼るつもりはない」

ジェンティは、フリーエージェント(FA)で加入したラヒーム・モスタート、ザミール・ホワイト、シンシア・マコーミックらが名を連ねるランニングバック陣の中でも中心的な存在と見られている。

キャリーの配分について問われたキャロルHCは、選手たちのプレーによって決まると述べた。

「競い合う機会が与えられた時に、選手たちが自らのプレーで示してくれるだろう」とキャロルHCは述べている。

一人の選手に頼るつもりはないと語るキャロルHCだが、ジェンティはボイジー州立大学の3年目シーズンで2,601ヤードを記録しており、まさに一人で試合を支配できる数字と言えよう。昨季は4勝13敗に終わり、ラッシングヤードはリーグ最下位の1,357ヤードに沈んだレイダースにとって、ランゲームの立て直しは急務だ。

もっとも、ジェンティがシルバーとブラックのユニフォームをまとった選手たちの中で主戦力となる保証はない。

とはいえ、キャロルHCとジェンティの新たなチームメイトであるモスタートは、ともにこのルーキーおよびバックフィールドの陣容を絶賛している。

「彼とは同じタイプなんだ」と語るのは、過去3シーズンをマイアミ・ドルフィンズで過ごしたモスタート。

「彼はフィジカルな強さがあるし、俺も同じだ。2人ともパスゲームにも絡めて、できる限り効果的に動こうとしている。俺たち2人が一緒にバックフィールドに立ってそれぞれの持ち味を最大限に発揮できれば、素晴らしい連携になるはずだ」

キャロルHCによれば、ジェンティはこれまでのところ期待にしっかりと応えているという。

「アシュトンは、われわれが期待していた通りの選手だった」とキャロルHCは語った。

「キャッチもうまくこなしていたし、プレーの理解度も高い。何事にも真剣に取り組み、常に素晴らしい努力を見せていた。彼には特別に伝えたんだ。みんながお前を見ているってね。彼はそれをしっかりと受け止めてくれた。今後が非常に楽しみだ」

キャロルHCとモスタートは、マコーミックやホワイトも高く評価している。

「キャンプが始まれば、いよいよ本番だ。そこでどうなるかを見ていくだけだ」とキャロルHCはコメント。

2025年のNFLドラフトで全体6位指名を受けたジェンティが控えている状況であっても、キャロルHCが複数の選手によるバックフィールドのローテーションを望んでいると明かしたことは、驚きとは受け止められなかった。

これこそが彼のやり方だ。シアトル・シーホークスのヘッドコーチを務めていた2022年と2023年のドラフトで、3人のランニングバックを指名していることからもそれは明らかだ。シーホークス時代の終盤にキャロルHCは、クリス・カーソン、ラシャード・ペニー、ケネス・ウォーカー三世、ザック・シャルボネらを起用しながら、層の厚いバックフィールドを築いた。

その一方で、キャリー数の配分がどうなろうと、ジェンティのポテンシャルは誰の目にも明らかだ。

「彼が注目され始めた頃から」ファンだったと言うモスタートは、ジェンティの視野の広さ、タックルをかわす能力、そしてビッグゲインを生む爆発力に一目置いている。

「彼は世代を代表する才能の持ち主だ」とモスタートは述べている。

「特にパスゲームにおいてもそれが際立っている。今日も何度かボールをキャッチしていたけど、見ていて思った。彼はきっと特別な存在になると」

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