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テキサンズの組織に「まともな基盤がないのは一目瞭然」とQBワトソン

2021年01月05日(火) 18:26


ヒューストン・テキサンズのデショーン・ワトソン【AP Photo/Sam Craft】

NFLの18チームにとって、2020年のレギュラーシーズン終了は未来への幕開けを意味し、いくつかのチームはすでに新しいリーダーを探し求めている。

テネシー・タイタンズ戦でヒューストン・テキサンズは終了間際に追加点を許し、41対38でまたしても惜敗を喫した。試合後にテキサンズのクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンは、フランチャイズの次のリーダーにはどのような素質を求めているかと問われた。彼の答えはさまざまな面で示唆に富んでいる。

ワトソンは『NFL Network(NFLネットワーク)』のジェームズ・パーマーに次のように話した。

「とにかくこの組織のエネルギーと基盤が問題だ。どこを見てもまともな基盤がないのは一目瞭然さ。誰もが分かっている。地に足のついた意志の強い人が必要だ。“われわれはこうやって戦っていく。こうやって勝つんだ”ってはっきり言えるような人だ」

「俺たちにはそういう人が必要だ。今はすべてが漠然としている。俺が求めているのは規律のある責任感と、チャンピオンシップに勝ったり試合に勝ったりすることを目標としながらも、毎日コツコツと仕事ができるような楽しく前向きなエネルギーだ」

ワトソンの発言はシーズン序盤にビル・オブライエンが解雇された後に残されたリーダーシップがどのようなものだったかを物語っている。

またこの主張は、組織内の変化に拍車をかけながら彼の揺るぎないリーダーシップに寄り添うことができる統率者を見つけてほしい、というチームのトップ社員であるワトソンからの要望とも読み取ることができる。

わずか4勝しか挙げていないチームでプレーしながらも、ワトソンは今季もNFLのトップ5のQBの1人であることを示した。他の点において彼の努力は空しく、とっくに戦線離脱しているテキサンズをそれでも試合に勝たせようとしていた。思い切り恥をかいたこともあるだろう。ワトソンが言ったように、しがみつける基盤がないところにはそのようなことが起こりうる。

彼を取り巻く環境にもかかわらず、ワトソンはNFL内1位となる4,823パッシングヤードをマークしている。これはテキサンズ史上最高記録であり、さらに彼が打ち出した1シーズン33回のタッチダウンと112.4のパサーレーティングもチームの新たな歴史を築いた。特筆すべきは、ワイドレシーバー(WR)のディアンドレ・ホプキンスがトレードでチームを去り、WRウィル・フラーは出場停止処分を受け、WRランドール・コブは負傷、WRケニー・スティルスが放出されながらもワトソンがそれらを成し遂げたということだ。

ワトソンは「俺は高い基準でプレーしたいだけだ。それに尽きる」とパッシングヤードでリーグをけん引していることについて語った。

「フィールドに立っている以上は誰だって高い基準を目指しているだろう。俺も成長し続けて自分の限界に挑戦したかった。あの数字を達成できたのは最高の気分だよ。パット(マホームズ)も迫ってきてはいたけど追いつけなかった。だからまあ、今年やれたことは個人としてもスタッツとしてもけっこうイケてるんじゃないかと思っているよ」

次はこの基準に見合った幹部をチームが見つけることだ。

1巡目どころか2巡目の指名権もないとなれば、テキサンズのジェネラルマネジャー(GM)やヘッドコーチ(HC)の職はあまり魅力的ではないかもしれない。だがテキサンズの最高の武器はこのQBにある。

負け越しのシーズンでありながらワトソンは、ダイナミックなプレーメーカーであるとともに、NFLの中でも突出したリーダーであることを見せつけた。新しいコーチは彼の足元にも及ばないかもしれない。

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