今後の「先発QBはタゴヴァイロア」とドルフィンズGMグリア
2021年01月06日(水) 15:27マイアミ・ドルフィンズの司令塔がこの先誰になるのかと詮索する者たちは、無駄な時間を費やす必要がなくなった。ジェネラルマネジャー(GM)のクリス・グリアとヘッドコーチ(HC)のブライアン・フローレスが明確な答えを示したからだ。
バッファロー・ビルズに惨敗したことによりドルフィンズはプレーオフ進出を逃し、今季を終了している。これに続き、グリアとフローレスはそろって現地5日(火)に記者会見を開き、今後のフランチャイズの状況に対する記者たちからの質問に応じた。今季終了の失意の中にありながらも、予想を上回る10勝6敗を2020年に収められたことで2人は組織の将来を明るく楽観的に捉えていた。特にクオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアについては前向きな発言が目立っている。
グリアは「はっきり言っておこう。トゥアがわれわれの先発QBだ」と『The Athletic(ジ・アスレチック)』のジョシュ・トレンティーノに述べた。「これまで彼が見せてきた成長にわれわれはとても満足している」
ベテランQBのライアン・フィッツパトリックが堅調なプレーを見せていたにもかかわらず、シーズン中盤にタゴヴァイロアは先発に昇格。その結果、引き継ぎのプロセスはスピードを増し、ルーキーのタゴヴァイロアは本番での経験を十分に得ることができた。だが勝利にはなかなか結びつかず、シーズン終盤に陥った不振から抜け出せないままドルフィンズはポストシーズンへの道を断たれた。
当然その責任はタゴヴァイロアだけのものではない。第17週に自力でプレーオフ進出を果たすため、第16週の試合になんとしても勝ちたいドルフィンズは、接戦にもつれ込んだ終盤にフィッツパトリックを頼った。そのフィッツパトリックがビルズ戦を欠場するとなれば、ドルフィンズに残された選択肢はタゴヴァイロアしかなかったのだ。ビルズ戦でタゴヴァイロアは28対6のスコアから差を縮めるどころか、3つの被インターセプトを喫し、うち1回は相手にタッチダウンを決められて35対13となる。最終的に56対26で試合を落としたドルフィンズは、シーズンの大半を順調に進めていただけに、意気消沈して今季を終える形となった。
とはいえ、タゴヴァイロアはシーズンを通して2020年のドラフト全体5位指名に値するポテンシャルをのぞかせている。このルーキーはリアルタイムでミスから学び、試合中に調整し、序盤のミスを克服してドルフィンズのいくつもの勝利に貢献した。タゴヴァイロアが先発した試合でドルフィンズは9試合中6試合で勝利を挙げ、タゴヴァイロアは87.1のパサーレーティングをマークしている。
もちろん2年目はさらに成長することが求められ、攻撃コーディネーター(OC)チャン・ゲイリーのオフェンスをより理解することがその過程でカギとなるだろう。ドルフィンズが1試合当たりのヤード数でNFL内22位、得点で15位となったのを受け、来季の続投を危ぶまれたゲイリーを含み、2021年のコーチ陣は全員変わらない予定だとフローレスHCは話している。
フローレスHCはフィールド上でのタゴヴァイロアとゲイリーの関係について「時間とともにコミュニケーションは良くなるものだ」と話した。「どのポジションでもそれは同じだ。オフェンス、ディフェンス、スペシャルチームであっても。経験を積むにつれて慣れてくる。どんな関係だってそうだ。時間とともに良くなる。それが今のビジョンだ」
そのビジョンの中には、第17週のビルズ戦のような重要な試合を、今後のシーズンでは確実に抑えていくことも含まれる。学び、成長する時間を与えられたタゴヴァイロアは、ドルフィンズをそのような勝利に導くことのできるQBになるかもしれない。それには時間を要するが、ドルフィンズは惜しみなく彼に時間をかけることだろう。
1月5日にタゴヴァイロアの先発が宣言されたが、2021年のQB全体を取り巻く状況として誰が彼をバックアップするかという問題に答えは出ていない。その役目を果たせることを十分に示しおり、相対的に成功を収めたと言えるフィッツパトリックをもう1シーズン起用するかについて、フローレスHCは明言を避けた。
「当然フィッツパトリックだけでなく、フリーエージェントになる他の選手についても検討していく」とフローレスHCは『South Florida Sun Sentinel(南フロリダ・サン・センティネル)』紙のオマール・ケリーに述べた。「だがそれについての判断はこの場で見解を示すつもりはない」
ドルフィンズはオフシーズンをかけてロースターを補強し、そのような宙に浮いている問題にも対応することになる。いずれにせよ、グリアとフローレスHCの指揮のもと、ドルフィンズには明るい未来が待っているようだ。
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