「この試合に勝たなければ意味がない」と昨年のプレーオフ敗戦から学んだビルズQBアレン
2021年01月07日(木) 14:126連勝を挙げて波に乗っているバッファロー・ビルズは、現地9日(土)のプレーオフ初戦でインディアナポリス・コルツとの対戦に臨む。
ビルズのクオーターバック(QB)ジョシュ・アレンが3年目に見せた成長は、このスターQBを中心に団結しているビルズオフェンスに象徴される。ヘッドコーチ(HC)ショーン・マクダーモットがまとめ上げてきたこのチームほど、最後まで強さを見せつけたチームはないだろう。
しかしながら、13勝3敗という華々しい戦績や自身に向けられた数々の賞賛は、土曜日の対戦でビルズがコルツに勝たなければ全てが空虚なものになってしまうことを、アレンは痛いほど分かっている。
アレンは「この試合に勝たなければ意味がない」と火曜日に『Buffalo News(バッファロー・ニュース)』に話している。「それが俺たちのマインドセットだ。プレーオフの常連チームからチャンピオンシップの常勝チームになる、とマクダーモットコーチがいつも俺たちに言い聞かせている」
ビルズは6年続けてプレーオフの試合で敗れており、NFLの中では3番目に長い記録となる。最後にプレーオフの試合で勝利を挙げたのは1995年。以来、次から次へとワイルドカードゲームを落としてきた。その6回の敗戦のうち2回はマクダーモットHCが指揮を執っている。
昨年ヒューストン・テキサンズに敗れた試合では16点のリードで好発進を切るも、延長戦で相手に得点を許すという逆転劇に見舞われた。
この敗戦は起伏の激しいプレーを見せたアレンに起因するところが大きく、素晴らしいプレーで積み上げたリードもミスの連発ですべてを台なしにしてしまった。だがこの負けこそが、プロボウルに選ばれるまでに成長させてくれたと次のようにアレンは話している。
「あの試合の状況や変えられたかもしれないプレーや読みを考えると、まだ自分の中で少し引きずっているんだと思う。もし過去に戻って変えられるなら、もちろんそうしたいさ。でもそれができなくて良かったとも思っている。あの試合やこの3年間プレーしてきた中でたくさんのことを学んだ」
「失敗がなければ成功もない」
昨シーズンのポストシーズンが終わった瞬間から今日までの間で、アレンとビルズは目覚ましい飛躍を遂げている。アレンに至っては、ヤジを飛ばされるようなQBから、NFL屈指のシグナルコーラーとしてだけでなく、多方面で変化をもたらすQBとして不動の地位を築いた。タイトなウインドウにも通るパスや、どのような状況でも切れのあるパスを投げられるスキル、さらに鋭いランという武器を有するアレンは、どんな相手の手にも負えない。間違いや単純なミスが減ったことで、アレンは猛威を振るうようになった。弾丸を放つ能力と、ディフェンスを交わす能力を持ってアレンは、決定打となるようなレッドゾーンでのせめぎ合いを制してきた。
今年のニューヨーク西部に満ちているいい流れは、すべてあのプレーオフの敗戦によって生まれたのだ。
「一番の教訓は、試合の状況を理解して無理をしないことだ」とアレンは述べている。「変えられるものなら変えたいけど、結果としてあのような形で負けて良かったと思っている。そこから俺はたくさんのことを学ぶことができた。その経験を土曜日の試合で活かしたいと思っている」
最高レベルでプレーしているアレンに、誰にも止めることのできないNFL有数のワイドレシーバー(WR)ステフォン・ディッグス、そしてシーズンが進むにつれて守りを固くしているディフェンス陣を擁するビルズは、ポストシーズンを前にNFL内で最強のチームと言っても過言ではないだろう。
ワイルドカードの試合でこれまで6連敗を喫したビルズにとって、コルツと対戦する土曜日のスーパーワイルドカード戦は、ポストシーズン中も勝ち進んでいくための足がかりとなるかもしれない。
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