「屈辱をばねに」ポストシーズンを戦うと誓うベアーズOLBマック
2021年01月09日(土) 20:46カリル・マックが在籍するシカゴ・ベアーズは記録の上では最も印象的なチームではないものの、プレーオフ進出を果たした。
彼らにとって良いことは、ひとたびキックオフしてしまえば記録など無関係だということだ。5勝1敗でスタートし、8勝8敗でフィニッシュしたベアーズは、最終結果以上のもののためにこの週末をプレーする。アウトサイドラインバッカー(OLB)のマックはチームが過去に苦戦した話など聞きたくないと思っている。
「俺個人としては、いつだって敗者の気分だよ。すっかり染みついちまっているんだ」と彼は現地7日(木)に語った。「他の連中も同じだってことを知っている。侮辱的なことを散々聞かされてきたよ。もちろん、それを全部自分たちのアドバンテージに変えなきゃならない。多くを語らず、出ていって行動で示すんだ。俺たちはそれを楽しみにしている」
率直に言って、彼らがそう言われてしまうのも無理はない。ベアーズは他のチームのように勝って進出を決めるという第17週のシナリオには従わなかった。8勝8敗の彼らは、アリゾナ・カーディナルスが最終戦でロサンゼルス・ラムズに敗れたことに助けられる形で、ラムズとともにNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)側のトーナメント出場を決めた。彼らのために言っておくと、ベアーズもプレーオフ出場の資格を得るために必死で努力してきたのは確かであり、第14週から16週にかけて3連勝を飾っている。しかし、第17週の相手は明らかに優位なグリーンベイ・パッカーズだったため、もう1週試合ができるのかどうかを確かめるには自分たちの試合後にスコアを確認するしかなかった。
そのような状況で立て続けにヘッドコーチ(HC)マット・ナギーの職務適性を問う声も上がり、クオーターバック(QB)ミッチェル・トゥルビスキーの将来も不安定なままとなっている。だが、そうしたことも――あるいは推測される侮辱の出どころも――この1週間は関係ない。
「俺が話を作り上げているのかもな。あるいはそうじゃないかも」とマックは言う。「言ってることは分かるだろ? いろいろ耳に入っているはずだ。なら分かるはずだ。そりゃ腹は立つさ。でもそれをいい方に利用する。自分たちのアドバンテージにするんだ」
彼らの対戦相手はパッカーズと同等の強敵、ニューオーリンズ・セインツだ。セインツに勝利するためにはいかに大変な努力が必要かをマックは力説する。もし勝てれば、うんざりするようなシーズンの最後にせめてもの甘美さを添えることができるだろう。
「こういうのをほろ苦いって言うんだろうな」とマックは不安定だったチームの2020年シーズンを表現した。「当たり前だけど、俺たちの目標は8勝8敗なんかじゃなかった。やりたいことはいろいろあったし、負けないことを目指していた。他のチーム頼みで目的の場所にたどり着くつもりはなかったんだ。でも、たどり着いたからにはできることがあるはずだ。面白くなりそうだよ。このチャンスを最大限に生かさなきゃな。俺にはそう言い続けるしかない」
チャンスを生かすという中には、今週末にベアーズが大番狂わせの勝利を飾ることも含まれるだろう。その甘美な喜びを味わうことができれば、ベアーズが2020年に感じてきた苦さも全て吹っ飛んでしまうに違いない。
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