セインツWRトーマスのキャッチを0回に抑えたバッカニアーズ守備陣
2021年01月19日(火) 14:52またしてもニューオーリンズ・セインツはポストシーズンからの早期撤退を余儀なくされた。これでセインツは、少なくとも4シーズン続けて11勝以上を挙げながらもスーパーボウル制覇を達成できなかった、NFL史上3つ目のチームとなる。
現地17日(日)の試合でタンパベイ・バッカニアーズが30対20でセインツを制したのには守備陣による貢献が大きい。セインツのオフェンスの動きを制限し、相手にターンオーバーを4つ強いている。
セインツの敗北に続く議論の多くは、クオーターバック(QB)ドリュー・ブリーズの苦闘についてだ。しかしながら、セインツのトップ選手の何人かは42歳のブリーズに救いの手を差し伸べることができなかった。
オールプロのファーストチームに2度選ばれているセインツのワイドレシーバー(WR)マイケル・トーマスを4回のターゲットに抑え、さらに1度もパスをキャッチさせなかったバッカニアーズの働きは特筆すべきだろう。
バッカニアーズのコーナーバック(CB)ショーン・マーフィー・バンティングは、トーマスを抑え込めて気持ちがいいと話している。どうやらトーマスは対戦前に彼や他のバッカニアーズ守備陣を嘲笑していたようだ。
マーフィー・バンティングは「いい仕事をしてやったぜ」と『NFL Network(NFLネットワーク)』のジェームズ・パーマーに言い、「俺は小さいことを気にするタイプじゃない。だけどトーマスの態度は引っかかった。試合前に俺が座ってたベンチの目の前のサイドラインを歩きながら3、4回ガンを飛ばしてきたんだ。普段は文句を言ったりしないけど、そういうことをされると、さすがに男として試されているような気がする。人を嘲るような態度で筋肉を自慢してきたりして。だからって俺はここでトラッシュトークをするつもりはないよ。彼は本当にすごくいいレシーバーだ。キャッチの範囲が広いし、すごく才能がある。それでも俺を試したのは間違いだったってことだ。俺の仲間に対しても同じだ。試合でそれを証明して見せたのさ」と話している。
トーマスへのパスが4回インコンプリートとなったうちの1回はマーフィー・バンティングによるインターセプトで、そのままセインツの3ヤードラインまで運んでいる。次のプレーでバッカニアーズが初のタッチダウンを決めると、それまでセインツがつかんでいた流れが完全にバッカニアーズのものとなる。マーフィー・バンティングはフランチャイズ史上、プレーオフで2試合続けてインターセプトを記録した選手として、元CBのロンデ・バーバー(2002年のディビジョナルラウンドとNFCチャンピオンシップゲーム)と並んだ。
一方のトーマスは、プレーオフを含めてキャッチが2回以下となった試合はこれがキャリア初。27歳のトーマスはこれまでのポストシーズンでは1試合当たり平均94.3レシービングヤードをマークしていた。バッカニアーズはそのトーマスに1回たりともキャッチを許さなかったのだ。
ディフェンスの活躍についてマーフィー・バンティングは次のように振り返っている。
「自分たちを信じ切ってプレーできた。俺たちは1年を通してずっと試合に勝てると信じてきたけど、コミュニケーションとかも含めて、みんながみんな同じ気持ちだったわけじゃなかったと思う。でも今夜は違った。第1クオーターから第4クオーターまで全力で戦って、躊躇(ちゅうちょ)することはなかった。いつもなら立ち上がりが遅くなってあとから必死に追いつこうとするけど、ハーフタイムに入った時には同点だった。とにかくいつもと違ったんだ。雰囲気も、チームも、それぞれのポジションも。全員が一体となっていたからだ。誰もが勝てると思ってこの試合に臨んだ。ただプレーするだけじゃなくて、初めから勝つつもりでいった結果がこれだ」
バッカニアーズが敵地で次に激突するのは、MVP最有力候補のQBアーロン・ロジャースと、レギュラーシーズン中にリーグトップとなる18回のタッチダウンを決めたWRデイバント・アダムスを擁するグリーンベイ・パッカーズだ。NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のチャンピオンシップ戦で、バッカニアーズの守備コーディネーター(DC)トッド・ボウルズ率いるディフェンス陣はさらなるチャレンジに挑む。
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