「もちろん、HCにはなりたい」とチーフスOCビエネミー
2021年01月22日(金) 16:101年前の今ごろ、カンザスシティー・チーフスの攻撃コーディネーター(OC)エリック・ビエネミーは、他チームでヘッドコーチ(HC)となる機会を得て、チーフスHCアンディ・リードの教えをさらに広げるものと思われた。だがその機会は見送られ、今年こそは違った展開になると予想されていた。
ところがNFL全体であと1つしかHCのポジションに空きがない中、ビエネミーはまだどことも契約していない。
何度も採用を見送られながらも、去年のスーパーボウルウィークと同じようにビエネミーは落ち着いている。
現地21日(木)、ビエネミーは「候補として名前が挙がって、自分の夢を叶えるチャンスがもらえるのはうれしい」と『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』のリチャード・グレーブスに話した。「もちろん、HCにはなりたい。でもつまるところ、目の前にある目標を見失わずに自分の役割を果たすのが私の仕事だ」
ビエネミーはそれ以上の詳しい話は避け、日曜日に行われるバッファロー・ビルズとのAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップ戦に集中していることを強調した。
ビエネミーのような資質ある者がHCでないのはおかしい。ビエネミーはスーパーボウル優勝を経験し、これまでに若手の才能を育て上げ、独創的なゲーム戦略を立てることができ、選手からの信頼もあつく、敬意を集めるHCにも認められている。HCにふさわしい条件をすべて満たしていると言っていい。
今回の一連の採用で明らかになった通り、プレーコールの経験は必ずしもHC就任の条件ではない。デトロイト・ライオンズとフィラデルフィア・イーグルスの新HCにそれぞれ就任、もしくは就任すると見られるダン・キャンベルとニック・シリアニがそれに当てはまる。つまり、ビエネミーがHCになれないのはプレーコール経験がないからだと言う者は、見当違いもいいところだ。
また、かつてリードHCの下で働き、ビエネミーより見劣りするキャリアでありながら、HC職に就いている者もいる。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のスティーブ・ワイチは次のように“Twitter(ツイッター)”につづっている。
「私のところに入ってくる情報をもとに今言いたいのは、“見せかけのプロセス”という言葉をここ数時間ほど頻繁に耳にしたとはないということだ」
先ごろビエネミーと面談したヒューストン・テキサンズが彼を採用しない限り、ビエネミーはまたしても夢を叶えるチャンスを逃してしまう。
自分の仕事を高く評価してくれる上司のために、NFLで最も爆発力のあるオフェンスをコーチできるだけで、ビエネミーに不満はないかもしれない。しかしながら、彼が一等航海士のままでいる間に他の多くの者が自分の船の舵取りをする機会を手にしているのだ。
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