「1ダイムたりとも損はさせていない」と減俸に否定的なバイキングスTEルドルフ
2021年01月28日(木) 00:15いまだ猛威を振るう新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によって予想される2021年のサラリーキャップ引き下げの影響を肌で感じることになるのはベテラン選手たちかもしれない。
その1人がミネソタ・バイキングスのタイトエンド(TE)カイル・ルドルフだ。成績やプレーと比較して高い契約を結んでいる彼はリリースされるか、あるいは大幅な減俸を要求されるかもしれない選手の一例だ。
しかし、本人の見解によると、彼は自分の契約に見合うだけの実力を持っていると自負しており、ポッドキャスト『Unrestricted(アンリストリクテッド)』でベン・レーバーに対し、“1ダイムたりとも損はさせていない”と豪語している。
「俺はすごく現実的だ。両サイドから物を見ている」というルドルフの言葉を『ESPN』のコートニー・クローニンが伝えた。「もし俺が(チームオーナーの)ウィルフ家の人間で、もし俺が(ジェネラルマネジャー/GM)リック(スピールマン)だったとしたら、この状況を見て、“われわれはこの男に大金を払っているのに活用していない。それならなぜ、大金を払い続けているんだ?”って考えるだろう」
「だけど、俺は1ダイムたりとも損をさせちゃいない。でも、それは俺のポテンシャルが十分に生かされているって意味じゃないし、得意分野を任せてもらえているって意味じゃない。これからの数カ月は興味深いだろうな。言ったように、俺の契約は3年残っている。他のどこにも行きたいとは思っていない。そうさせられてきたせいで、俺はいつの間にかなかなかのブロッカーになっちまった。だけど、それが得意だったことは一度もない。まあ、高校時代は誰よりも大きかったから、そういうこともあったかもしれないけど、その当時だって俺は走り回ってボールをキャッチする方が好きだった」
2019年にバイキングスはドラフト2巡目でアーブ・スミスを獲得し、キャップを空けるためにルドルフの契約を延長した。ルドルフの契約はまだ3年残っている。彼のキャップヒットは945万ドル(約9億8,000万円)だ。バイキングスが彼をカットすれば510万ドル(約5億3,000万円)のキャップを節約でき、435万ドル(約4億5,000万円)がデッドマネーとなる。
ルドルフにとって不運なことに、『Over The Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によると、バイキングスは予想される2021年のサラリーキャップを1,280万ドル(約13億3,000万円)オーバーしそうだという。
ルドルフは2020年に12試合でレシーブ28回、334ヤード、キャリア最低のタッチダウン1回という記録に終わった。
「昨シーズンの早い段階で、悪い兆しは見えていた」とルドルフは述べた。「俺たちのオフェンスの先行きは予想できた。俺のキャッチは最初の6試合で7回か8回だった。本当にばかばかしかったよ。俺は文字通りブロックばかりさせられていた」
バイキングスから減俸の打診はあったのかと聞かれ、ルドルフはスタンスを明確にした。
「そんなことは絶対に起こらない」と彼は言う。「俺たちはこのゲームを何年続けられるか分からないけど、俺はまだまだフットボール生活を長く続けられると感じている。ここから早送りして3年プレーしたとして、そしたら俺は33、34歳だ。そうなったらチームに“あと数年、今までよりずっと安い金額でここにいてほしい。ただし、あれとこれとそれをやって若手の面倒を見てもらいたい”って言われるのは構わないさ」
「けど、俺はまだ31歳だ。フィジカル的にまだやれると分かっている。とにかく機会が足りないだけなんだ。以前は俺がレッドゾーンのターゲットになっていたんだぜ。二度とそんな契約はできない」
ルドルフがまだ生産的な選手になることは可能だろう。だが、バイキングスの状況が彼を望まない。彼らにはスミスという若く、安価なオプションがあり、サラリーキャップに直面している。
NFLとNFL選手会(NFLPA)が今季のサラリーキャップに関してどこに着地するのかを、多くのベテランが不安な思いで見守ることになりそうだ。その成り行き次第で、ルドルフのように流動的な契約を持つ大勢のベテランの未来が決まるかもしれない。
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